2013年05月31日

弁護士、犯人隠避の疑い 愛知県警警部脅迫事件で逮捕 愛知〜【刑法第103条;犯人蔵匿等】弁護士は金さえ出せばどこまでできるのか。

 弁護士は、営利目的で法律関連の支援やサービスを提供できる唯一の職業といえます。勿論他の法律と照らし合わせれば、限定的ではありますが、司法書士や行政書士などそれらの職業も同様です。
 特に弁護士しかできない大きな業務は、現行法では140万円を超える金額の民事訴訟の「代理人」と刑事事件の被疑者及び起訴後の被告人に対する「弁護人」ということになります。他にも法的な倒産処理における、破産管財人も弁護士に限定された独占業務ともいえます。
 あと弁護士の業務は、司法試験に「合格」したり、その後の「司法研修」を終了するだけでは、「弁護士」の業務をすることはできず、からなず各地都道府県にある弁護士会へ「登録」して業務を実施しなければ、弁護士としてみとめられません。
ですから、同類の「法曹」ともいえる、裁判官や検察官においては、弁護士と同じ能力をもっていたとしても「弁護士」の登録をしていないため弁護士の業務をやることは違法になります。

 それから弁護士の重要な役割は法律の知識に乏しい一般市民に対し法律の知識を緊急に授けたり、本人に変わって代行(代理行為)したり、本人を守る(弁護する行為)ことです。特に「本人を守る」という「弁護人」としての行為は、刑事裁判においての弁護になるわけですが、本人の主張(例えば自分は無罪であることなど)の他に、仮に本人が「有罪」を認めていても、弁護人が本人のとは違う判断で独自で「無罪」だということを主張する事も可能となっています。逆に、本人が無罪を主張しているのに、弁護人が有罪を主張するのは違反です。
 その他弁護人としての注意事項は、本人(被告人)に嘘を言うよう要求することも禁止されています。


 さて、今回の事件は弁護士が犯人と見られるものを「積極的に」逃がした疑いが掛けられているということで「犯人隠避(はんにんいんぴ)」という刑法第103条の罪で逮捕されたということです。
 刑法で規定されている条文(およびその他の規定から)からこの犯人というのは、罰金刑以上の形に相当する罪を犯したものとされているので、罰則のある条文(刑法にかぎらず)で最高刑が「罰金以上」という容疑がかけられているものもしくは容疑に値する者を取り締まるということになります。

 したがって今回の場合、脅迫をした部下(刑法第222条〜脅迫の罪〜生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。)は懲役2年で罰金刑以上の刑なので、その人を匿ったり、遠くへ逃走経路を施して逃がした場合は、この罪(刑法第103条〜犯人隠避・犯人蔵匿の罪)にあたるという訳です。

 そして、弁護士がどこまでの行為が許されるかといえば、裁判において被告人や被疑者の行為を嘘であっても代弁できることや弁護士が独自で無罪と判断して主張することができるということなので、顧問弁護士がその部下において実際にあって「法律の知識(特に犯人隠避のための)」を緊急に授ける(レクチャーする)ことは許される範囲で、逃走したいという事の相談を受けたり、逃走を消極的に見届けるようなことは可能ですが、弁護士自ら、逃走経路を施して逃走資金を貸与するようなことは、弁護士の範囲を逸脱しているということで、逮捕に踏み切ったということになります。

 これらの件に限らず弁護士も少なからず、金に目がくらんでいることなのか、「反社会的な」勢力に手を貸しているところもしばしばみられます。しかも元検察官(ヤメ検)も少なくありません。やはりこういったことは弁護士とは言え人間として、毅然とした対応をしていかなければならないかと思われます。

 

 

弁護士、犯人隠避の疑い 愛知県警警部脅迫事件で逮捕 愛知〜【刑法第103条;犯人蔵匿等】弁護士は金さえ出せばどこまでできるのか。


弁護士、犯人隠避の疑い 警官脅迫事件で逮捕 愛知

 愛知県警警部を脅す電話を部下にかけさせたとして名古屋市の風俗店グループ「ブルー」の実質的経営者が逮捕された事件で、県警は31日、この部下を逃亡させていたとして、グループの顧問弁護士を務める城(たち)正憲容疑者(65)=同県愛西市=を犯人隠避の疑いで逮捕し、発表した。容疑を否認しているという。

 県警は、城弁護士が脅迫事件の実行役を逃亡させるなど立件を阻む工作を主導したとみて調べる。名古屋市内で任意同行を求められた城弁護士は31日午前7時25分ごろ、捜査車両で市内の警察署に入った。

 県警は31日、城弁護士のほか、ブルーの実質的経営者佐藤義徳容疑者(55)とブルーの元役員(38)を犯人隠避の疑いで逮捕。逃亡した部下の青木公司容疑者(43)ら2人についても、逃亡中に他人名義の携帯電話を使ったとする携帯電話不正利用防止法違反容疑で逮捕し、発表した。佐藤、青木両容疑者は容疑を否認しているという。

 捜査関係者によると、別の詐欺事件で逮捕、勾留されていた佐藤容疑者は2011年6月ごろ、接見にきた城弁護士に対し、「青木に命じて警部を脅迫した」と相談。城弁護士はその後、元役員に会って青木容疑者を逃がすよう指示し、300万円の逃亡資金を用意させた疑いがあるという。青木容疑者は直後に沖縄に向かい、ホテルなどで滞在していたことが確認されている。
http://www.asahi.com/national/update/0531/NGY201305310004.html
(2013/5/31/朝日新聞)


警察官脅迫事件 愛知の弁護士ら逮捕
5月31日 12時14分


3年前、愛知県警察本部の捜査員に脅迫電話がかけられた事件で、愛知県の弁護士らが、電話をかけたとみられる男に対して身を隠すよう指示したなどとして、警察は、弁護士ら5人を犯人隠避などの疑いで逮捕しました。
弁護士は容疑を否認しているということです。

逮捕されたのは、愛知県弁護士会に所属する弁護士の城正憲容疑者(65)と名古屋市の会社役員の佐藤義徳容疑者(55)ら合わせて5人です。
警察の調べによりますと、城弁護士らは、3年前、愛知県警の暴力団捜査を担当する捜査員に家族に危害を加えることを示唆する脅迫電話がかけられた事件で、電話をかけたとみられる43歳の男に身を隠すよう指示したとして、犯人隠避などの疑いがもたれています。
調べに対し、城弁護士は佐藤容疑者と共に容疑を否認しているということです。
警察は当時、佐藤容疑者の周辺を捜査していて、電話をかけたとみられる男は佐藤容疑者の部下だったということです。
城弁護士は別の事件で起訴されていた佐藤容疑者の弁護を担当していて、関係者が警察の調べに「城弁護士の指示で男を沖縄に逃亡させ、その資金として300万円を渡した」と証言しているということです。
警察は、城弁護士が佐藤容疑者と面会した際に不正の依頼を受けたとみて調べています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130531/k10014979151000.html
(2013/5/31/NHK)


暴力団の捜査を担当する愛知県警の捜査員への脅迫事件で、脅迫の実行役の男を逃がした疑いなどで、警察は31日昼前、弁護士の男ら5人を逮捕しました。

 犯人隠避などの疑いで逮捕されたのは、愛知県弁護士会所属の弁護士・城正憲容疑者(65)、風俗店グループの実質的経営者・佐藤義徳容疑者(55)ら5人です。この事件は2010年、佐藤容疑者らが指定暴力団山口組弘道会の捜査を担当する愛知県警の捜査員を電話で脅迫したとされるものです。警察によりますと、城容疑者らは一昨年、脅迫の実行役とされる青木公司容疑者(43)に現金を用意するなどして逃走を手助けしたなどの疑いが持たれています。城容疑者は、検察出身のいわゆる「ヤメ検」の弁護士で、佐藤容疑者の顧問を務めていました。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000006312.html
(2013/5/31/テレビ朝日)



(参考)
概説 

犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪は刑法第二編「罪」第七章に規定されている。国家的法益に対する罪に分類される。
犯人蔵匿罪 

罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せられる(刑法第103条)。
客体 [編集]
本罪の客体は「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」又は「拘禁中に逃走した者」である。
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者
拘留又は科料にしか当たらない罪(侮辱罪、軽犯罪法違反など)を犯した者は、本罪の客体にならない。
「罪を犯した者」の意味について学説は大きく分けて、真犯人に限るとする説(A説とする)、真犯人及び犯罪の嫌疑を受けて捜査中又は訴追中の者とする説(B説とする)、真犯人及び蔵匿・隠避時の態様によって真犯人であると強く疑われる者であるとする説(C説とする)がある。判例はB説を採る(最判昭和24年8月9日刑集3巻9号1440頁)。公務執行妨害罪において行為時標準説を採用しているのと整合性がある。一方、A説も有力に主張されている。その根拠は、条文の文言である。
拘禁中に逃走した者
「拘禁中に逃走した者」には他者の奪取により拘禁状態を脱した者も含まれる(広島高判昭和28・9・8高形集6巻10号1347頁)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8A%AF%E4%BA%BA%E8%94%B5%E5%8C%BF%E5%8F%8A%E3%81%B3%E8%A8%BC%E6%8B%A0%E9%9A%A0%E6%BB%85%E3%81%AE%E7%BD%AA
(2013/5/31/wikipedhia 一部引用)


(参考)
第7章 犯人蔵匿及び証拠隠滅の罪
(犯人蔵匿等)
第103条 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
(証拠隠滅等)
第104条 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
(親族による犯罪に関する特例)
第105条 前2条の罪については、犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができる。
(証人等威迫)
第105条の2 自己若しくは他人の刑事事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
http://www.houko.com/00/01/M40/045.HTM#s2.7
(2013/5/31/現在)

(参考)
第32章 脅迫の罪
(脅迫)
第222条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
(強要)
第223条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前2項の罪の未遂は、罰する。
http://www.houko.com/00/01/M40/045.HTM#s2.37
(2013/5/31/現在)


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posted by 管理人B at 18:25| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 刑法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんだか弁護士の犯罪が多く目立ちます。きっと弁護士が増えすぎたからなのでしょう。弁護士になっても昔は困らなかったのに。
Posted by 飯沼横長 at 2013年06月04日 15:26
飯沼横長 様

 こんにちは、やはり今の時代と違い弁護士の数が増えてしまい仕事の取り合いとかそういった部分が増えたものと思います。
 もっと何かいい方法がないだろうかと私自身も考えています。
 ありがとうございました。
Posted by 管理人C at 2013年06月05日 09:35
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