2013年07月14日

児童わいせつ、氏名記載要求=被害者匿名の起訴状で東京地裁−地検は拒否〜被害者氏名を出すことは裁判の適正手続きとしては当たり前のこと。


 刑事裁判において、被害者がいる場合、起訴状に「被害者名」が記載されるのが普通です。また被告人の氏名が分からない時は氏名不詳ではなく、その身体の特徴などを記載して公判を維持するのが通常となっています。

  今回の児童わいせつ(強制わいせつ)被告事件においては起訴状に被害者(児童)の氏名が記載されていないということです。刑事訴訟法においては、被害者氏名を明記するという要求はなされていませんが裁判の慣例で記載するのが当たり前となっているので、「記載しない」という事が異例という事態となっています。

 刑事裁判というのは、被告人を処罰する事を許可できるかどうかを判断するものです。従って、被告人が刑事裁判での主人公になります。ですから、被告人を処罰するのに納得する事実を示さなくてはなりません。

 ところが、今回の事件においては、被害児童の両親が2次被害を恐れて、氏名を記載しないで処罰をしてくれるように地検に要望したということらしいです。

 実際のところ、被害児童の両親と東京地検の取調官とどのようなやり取りがあったかはわかりませんが、裁判を行う以上、被害者の氏名を記載しないということは、「完全に犯罪事実を証明する」という事にはならないものと思えます。

 勿論状況においては、氏名が無くても犯罪事実を証明できるものもあるのかもしれませんが、被害者が皆「2次被害を恐れて」ということで氏名を匿名にしてしまえば、匿名のために犯罪を証明できなかったり、逆に無罪の主張は勿論のこと、事実に争いがある場合などにおいては、被害者がわからないために反証活動に妨げになることも多々あります。

 そうなれば、本来無罪を証明できるはずが、被害者を特定できないためその被害者の行動やその内容を照会したりアリバイなどを確かめることができず、冤罪となってしまう可能性も充分に有り得ます。

 誰でも被害者となった時に裁判に出頭したり、自分の氏名などを晒したくないのは当然の事です。前述のような事を考えれば、被害者の氏名を隠す事は裁判としてはフェアではないことがわかるかと思います。

  今までそのような事がなかったのに何故今になって、「匿名被害者」で起訴状を作成してしまうのかがわかりません。

 恐らく、これには、こういった被害があった時に捜査機関側から「告訴をしてください」などという「懇願」があったからなのかもしれません。被害者としては、「名前出すなら告訴はいたしません」という事を言われたので、捜査機関としては考えた挙句、「氏名は出しませんから、告訴してください」ということになったのだと思います。

 先日もオウムの平田信(ひらたまこと)被告人に対する尋問において、死刑囚を法廷に出庭させることに検察側が異議を申し立てていましたが、刑事訴訟法においては、被告人・弁護人が必要とする尋問の場合は公費で連れてくることができるとしています。当然死刑囚もそれに当てはまります。それは被告人の処罰を許可するかどうかの重要な裁判であるからです。


 今捜査機関の証拠の捏造などが問題となっていて、過去の事件に対する再審請求で冤罪が証明されたり、厚生労働省の郵便不正事件においてはフロッピーを書き換えてしまって「ままええや」なんてことで公判を維持してしまった事も記憶に新しいことです。
 今の刑事裁判では、まだ捜査機関の適正な手続きがまだ不充分といえることが多いことがしばしば見受けられます。そういった過去の反省から、当然被害者氏名を出すことは適正手続きの一貫なので、「実名」でなくては意味がありません。





児童わいせつ、氏名記載要求=被害者匿名の起訴状で東京地裁−地検は拒否〜被害者氏名を出すことは裁判の適正手続きとしては当たり前のこと。



児童わいせつ、氏名記載要求=被害者匿名の起訴状で東京地裁−地検は拒否
 強制わいせつ事件の起訴状で、東京地検が被害児童を保護するため氏名を伏せたところ、東京地裁が記載を命じていたことが13日、関係者への取材で分かった。地検は応じず、地裁と協議しているが、起訴状の不備を理由に公訴棄却が言い渡され、裁判が打ち切られる可能性もある。

〔写真特集〕盗聴器・盗撮カメラ

 関係者によると、問題になったのは、児童が見ず知らずの男に公園のトイレに連れ込まれ、わいせつな行為をされて写真を撮られた事件。2次被害を恐れる両親の強い要望を受け、地検は起訴状で児童の氏名は伏せ、犯行日時や場所、方法とともに、年齢のみ記載した。
 これに対し、地裁は起訴内容が特定されていないとして、児童の氏名を記載するよう補正を命じたが、地検は応じていない。被告の男の弁護人は氏名を伏せることに同意しており、地検は被害者が特定可能な別の記載方法について地裁と協議を続けているという。
 刑事訴訟法は「日時、場所、方法」によって起訴内容を特定するよう求めている。被害者の氏名は明記されていないが、犯罪事実の一部であり、通常は起訴状への記載が必要とされる。(2013/07/13-12:20)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013071300145
(2013/7/13/時事ドットコム)


東京地裁、児童わいせつ事件で被害者匿名の起訴状認めず
 強制わいせつ事件の被害児童を匿名にした東京地検の起訴状について、東京地裁が認めず、氏名の明記を求めていることが13日、捜査関係者への取材で分かった。加害者に氏名を知らせないための措置だったため、地検は被害児童の親の意向を受けて記載の要求に応じていない。

 刑事訴訟法は起訴状にできる限り、日時、場所、方法を明記し罪となるべき事実を特定するように求めている。被害者の氏名に関する規定はないが、通常は記載される。

 捜査関係者によると、今回の事件では、児童が面識のない男に公園のトイレに連れ込まれ、わいせつな行為を受けたとされる。起訴状の謄本が被告に送られるため、児童の親が氏名を知られることを恐れた。地検は起訴状に「被告が公園のトイレに自ら連れ込んだ児童」と記載したが地裁は「起訴内容が特定できない」と認めなかった。

 強制わいせつ罪は被害者の告訴が必要な親告罪で、親は「氏名を出すなら告訴を取り下げる」との意向を持っており、このままだと公訴棄却の可能性もあるため、地検が対応を協議している。

 神奈川県逗子市のストーカー殺人事件では、別事件で逮捕した容疑者に、逮捕状に記載された被害者の転居先などを警察官が読み上げる不手際があった。これを受け、検察庁では起訴状に被害者の氏名の代わりにメールアドレスを記載したり、勤務先の会社名と名字だけを組み合わせて記載したりするなど、裁判所の要求に応じられる範囲でプライバシー保護の工夫をしている。
[ 2013年7月13日 12:14 
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2013/07/13/kiji/K20130713006209190.html
(2013/7/13/スポニチ)





被害者匿名の起訴で有罪判決
7月13日 12時7分


兵庫県で起きた強制わいせつ未遂事件の裁判で、検察が通常は起訴状に記載する被害者の名前を書かず、裁判所も認めて、被告に有罪判決を言い渡していたことが分かりました。
被害者の2次被害を防ぐねらいの極めて異例の措置ですが、刑事裁判の専門家からは「匿名の記載が一般化すると被告の反論する権利を損ねるおそれがある」と懸念する声も出ています。

ことし3月、神戸地方検察庁明石支部は、兵庫県内で面識のない帰宅途中の女性を乱暴目的で襲おうとしたとして20代の男を強制わいせつ未遂の罪で起訴しました。
刑事裁判は、誰に対する行為で罪に問われているのか被告に明らかにして反論する権利を保障するため、通常は起訴状に被害者の名前が記載されます。
しかし、神戸地検明石支部は、女性が被告に個人情報を知られ二次被害を受けるのを恐れたことから、起訴状に記載する被害者の情報を「性別」と「年齢」だけにとどめました。
被告に被害者が特定されないようにする極めて異例の措置でしたが、神戸地裁明石支部は被告側が起訴状の記載方法を争わなかったことからそのまま裁判を進め、ことし4月、被告に有罪判決を言い渡しました。
被害者を完全に匿名化して進められた異例の裁判について、刑事裁判に詳しい高井康行弁護士は「匿名の扱いが一般化すると被告の反論する権利を保障した法の精神に反する事態になるおそれがある。起訴状には、実名でなくても被告が誰のことか具体的に分かる程度の記載が必要だと思う」と指摘しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130713/k10013021261000.html
(2013/7/13/NHK)



posted by 管理人B at 02:14| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 刑事訴訟法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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