2013年07月29日

安愚楽牧場元社長ら3人を告訴 関東近県の1都10県出資者28人、詐欺容疑で〜破産管財人の報酬や逃げ切りオーナーに対する返戻は難しい。

 先週、群馬・栃木での出資者が旧経営陣でかつ破産手続き中の3名を「詐欺罪」で告訴したということですが、
今度は1都10県(関東甲信越)の出資者が「告訴」したということです。
 群馬・栃木の告訴においては、その県で構成されている地元の被害者弁護団を通じて告訴したようですが、ここで告訴したのは「全国・・・」の被害者弁護団の委任者が弁護団を通じて告訴した模様です。これも同じ「詐欺罪」で告訴ということらしいです。

 最近の安愚楽牧場の「告訴」の記事に関しては「受理された」という文字が強調されています。現在の「刑事訴訟法」をちゃんと運用するのなら、告訴の申出に対しては、文書は勿論、口頭であっても「受理」するのが当たり前のことなのですが、それをまともにやってしまうと、警察事態の身動きができなくなってしまいます。

 したがって実務上では、当の警察から、「文書でやってくれ」とか「できれば弁護士を通してくれると・・・」なんて言われる事も多々あるようです。これは警察だけではなく、裁判の世界でも同じで、特に「民事訴訟」などにおいては、「本人訴訟」といわれていても、弁護士を代理人として付けない「本人」だけの訴訟の場合、色々と書式の不備なども多々あるため、民事訴訟においても「弁護士」を代理人に付すことを必須にしようという案も出てきている次第です。


 話は戻り、今回の告訴も「受理」されたということなのですが、この理由は、もうすでに捜査として着手しているという意味もあるからです。(詐欺罪として逮捕する方針だからということではありません)

 ところで、昨日の7月28日東京の某所で「あぐら被害者の会」という「被害者団(被害者が主体となっている被害者の会)」の集会(会合)が行われたということです。

 そこでやや話題になっていることがあり、ひとつは、安愚楽牧場の破産管財人(渡邉顕弁護士)の「報酬が8億円と高額だから返戻させた方がいい」ということ、もうひとつは「逃げ切りオーナー(被害がなく元本及び利子が契約通り戻ってきた人)の元本及び利子は、そのあとから応募したオーナーの分の出資金でまかなっているいわゆる『不正利得』なので、その分を返戻させたい」
 の2点になります。

 どうしても、こういった事件においては、破産管財人の報酬などに「物言い」をつけられる方がいらっしゃり、世間の考え方からすれば、その意見はいつのところでも出てきます。結論からいうと、両方とも「非常に厳しい」です。

 破産管財人の破産財団からの支出行為は勿論、その報酬も、債権者数や規模、やそれにかかる時間など他の案件などと比較して、客観的に裁判所が判断して決定をくだしたものなので、算定の仕方や世間相場と大きく間違っていない限り、返戻をするのは難しいかと思います。

 また、「逃げ切りオーナー」の件に関しては、仮にその後の出資者のお金を元本の返還や配当に回していたとしても、逃げ切りオーナーに関しては、その事情(自転車操業であること)を知っている(つまり「悪意」があった)ということでない限り、その逃げ切りオーナーに対する返戻を求めるのは難しいかと思います。
 この安愚楽牧場のシステムが上記の通り「自転車操業」であり自分の出資したものが逃げ切りオーナーの元本や配当につかわれたという明確な証拠があった場合であっても、現在の和牛オーナーの「契約」方法が最悪であっても「詐欺」が成り立つ程度までであり、さらに逃げ切りオーナーはほとんどが「善意」(自転車操業であることを知らない)であるから、返戻は難しいということになります。

 これがもし可能となるのは、契約の際に暴力的な行為をされて、意思を制圧されるという「強迫(きょうはく)〜意思の制圧ができない位の押し付け」があったときに限られるということになります。

 恐らく安愚楽牧場の和牛オーナーの契約は「詐欺(自由意思)」であるかと思いますので、民法の「契約」の公式からは無理ということになります。


  つまり

    契約(強迫)⇒旧経営人(出資金を元本配当に使用)⇒逃げ切りオーナー(悪意)⇒⇒⇒⇒⇒⇒ 返戻できる。
    契約(強迫)⇒旧経営人(出資金を元本配当に使用)⇒逃げ切りオーナー(善意)⇒⇒⇒⇒⇒⇒ 返戻できる。
    契約(詐欺)⇒旧経営人(出資金を元本配当に使用)⇒逃げ切りオーナー(悪意)⇒⇒⇒⇒⇒⇒ 返戻できる。
   ●契約(詐欺)⇒旧経営人(出資金を元本配当に使用)⇒逃げ切りオーナー(善意)⇒⇒⇒⇒⇒⇒ 返戻できない。

  上記の4つのパターンから最後の●がほとんどかと思いますので、「返戻できない」ということになります。




 



安愚楽牧場元社長ら3人を告訴 関東近県の1都10県出資者28人、詐欺容疑で〜破産管財人の報酬や逃げ切りオーナーに対する返戻は難しい。


2013年7月29日12時9分
   
安愚楽元社長ら3人を告訴 出資28人、詐欺容疑で


 安愚楽牧場による和牛商法事件で、同社に出資していた1都10県のオーナー28人が29日、元社長の三ケ尻久美子容疑者(69)=特定商品預託法違反容疑で逮捕=ら旧経営陣3人について、詐欺容疑の告訴状を警視庁に提出し、受理された。

 被害対策弁護団によると、告訴したのは同社が破綻(はたん)する直前の2011年5〜7月に出資した男女28人。出資額は100万〜3320万円で、総額は約7200万円に上る。弁護団の紀藤正樹弁護士は「牛が存在しないにもかかわらず、ウソをついてお金を支払わせているので詐欺が成立する」と話した。

 事件をめぐっては、警視庁が6月18日、三ケ尻容疑者のほか、元専務の大石勝也容疑者(74)と別の元専務の男性(59)を特定商品預託法違反容疑で逮捕。7月9日に三ケ尻容疑者と大石容疑者は同容疑で再逮捕され、元専務の男性は処分保留で釈放された。

関連リンク
(ニュースのおさらい)和牛オーナー制度 何が問題?
http://www.asahi.com/national/update/0729/TKY201307290062.html
(2013/7/29朝日新聞)


(参考)
2013年度中学入試特集>記事

(ニュースのおさらい)和牛オーナー制度 何が問題?

安愚楽牧場の和牛オーナー制度のしくみ
 和牛(わぎゅう)オーナー制度(せいど)と呼ばれる方法でお金を集めていた「安愚楽牧場(あぐらぼくじょう)」という会社の元社長たちが逮捕(たいほ)されました。2011年8月、約4300億円の負債(ふさい)を抱(かか)えて経営(けいえい)破綻(はたん)し、約7万3千人から集めたお金が返せなくなっています。何がいけなかったのでしょうか。

■母牛の頭数ごまかして契約

 安愚楽牧場の本社は栃木県那須塩原(なすしおばら)市(し)。全国に約40カ所の直営(ちょくえい)牧場を持ち、ステーキや焼き肉の材料になる黒毛(くろげ)和牛を市場(しじょう)に出荷していた。

 安愚楽牧場が運営(うんえい)していた「和牛オーナー制度」は、子牛(こうし)を産む母牛(ははうし)を一般の出資者(しゅっししゃ=オーナー)に買ってもらうことから始まる。母牛から子牛が生まれたら、安愚楽牧場が市場で売り、その代金からエサ代などを引いた差額(さがく)をオーナーが「利益金(りえききん)」(配当金(はいとうきん))としてもらえる仕組みだった。

 例(たと)えば、オーナーが100万円で母牛を買ったとする。この母牛が子牛を出産(しゅっさん)し、この子牛が市場で10万円で売れれば、エサ代の6万円を引いた4万円がオーナーに支払(しはら)われる。子牛が生まれても生まれなくても配当金は年1回払われるし、契約(けいやく)期間が終われば、最初に100万円で買った母牛は安愚楽牧場が同じ金額で買い戻(もど)すので、オーナーが損(そん)をすることはない。

 母牛を買うといっても、牛の世話や出産は牧場が行うため、オーナーは最初にお金を支払えば、何もしなくても配当金がもらえるのが特徴(とくちょう)だ。

 では、なぜ安愚楽牧場の元社長たちは逮捕されたのか。

 その理由は、安愚楽牧場がオーナーに売っていた母牛の一部が、実は存在(そんざい)しない牛だった疑(うたが)いがあるからだ。

 具体的には、2010年度に全国のオーナーが買い、安愚楽牧場が育てている母牛は、約9万7千頭いるはずだった。しかし、国の調査(ちょうさ)では、実際に牧場で飼育(しいく)されていた母牛は約6万5千頭で、約3万2千頭も少なかった。少なくとも過去(かこ)5年間同じような状態が続いていた。

 しかし、パンフレットには「母牛は全頭(ぜんとう)いる」と書いてPRし、契約(けいやく)する際も母牛が不足していることをオーナーに説明していなかった疑いがあることがわかった。これは、消費者(しょうひしゃ)の保護(ほご)を目的に制定(せいてい)された「特定商品(とくていしょうひん)預託(よたく)法(ほう)」という法律に違反(いはん)する疑いがあるとして、警察が元社長ら経営陣(けいえいじん)の3人を逮捕したのだ。

■「国の対応、遅れ」の声も

 安愚楽牧場は1981年に設立(せつりつ)され、和牛オーナー制度の「元祖(がんそ)」と呼ばれた。90年代には安愚楽牧場をまねた会社が十数社もできた。

 しかし、オーナーへ返金できなくなる会社が続出(ぞくしゅつ)。2008年に社長が詐欺容疑(さぎようぎ)で逮捕された「ふるさと牧場」(東京都)など、警察に摘発(てきはつ)される業者もあった。和牛オーナー制度に疑問符(ぎもんふ)が付(つ)く事態(じたい)になったが、安愚楽牧場だけが生き残った。

 農林水産省(のうりんすいさんしょう)は09年1月、安愚楽牧場に立ち入り検査した。このとき、同省は「経理(けいり)がずさん」と指摘(してき)し、改善(かいぜん)と定期的な報告を求めた。

 しかし、同年9月、安愚楽牧場を管理する国の機関が農水省から消費者庁(しょうひしゃちょう)へ変わった。すると、消費者庁は「報告が必要と判断した場合、こちらから話を聞く」として、報告を受けなかった。

 実際には経営はうまくいかなくなっていた。母牛が少ないため生まれる子牛が少なく、牛を売って得られる利益も少なかった。しかし、安愚楽牧場はオーナーに年1回の配当金を払い続けていた。そのため会社のお金がなくなって経営が行(い)き詰(づ)まり、11年8月に破綻した。その時点で約4300億円の負債(借金〈しゃっきん〉)があり、約7万3千人のオーナーにお金が戻らないままだ。

 オーナーたちは、農水省や消費者庁が早めに調査をしておけば被害(ひがい)の拡大(かくだい)が防(ふせ)げたと批判(ひはん)している。国に対して損害賠償(そんがいばいしょう)を求める裁判(さいばん)を起こす方針(ほうしん)だ。(波戸〈はと〉健一)
http://www.asahi.com/edu/jrhigh-exam/TKY201307060065.html
(2013/7/6/朝日新聞)
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