2013年08月27日

着物モデル詐欺認める 元販売業者ら初公判(名古屋地裁)〜こういったことは詐欺罪で適用されるのが難しいが・・・。

 最近詐欺報道が毎日のようにつづきますが、法律上「詐欺」は「加害者も悪いが、被害者も下心を出すからこうなるんだ!」という思想が練り込まれています。
 そのため、「詐欺」での契約は「脅迫」「強迫」などの契約と比較して、被害後の法律の対策が劣後していることが様々な場面に遭遇すれば体感されるのかと思います。

 まず、税制上の優遇処置の中で、犯罪の「窃盗」の被害にあった人は、税制上の優遇が受けられますが、「詐欺」の被害者は、残念ながら税制上の優遇はうけられません。

 また、例えば、最近金(貴金属)の価値上昇に目をつけて、「押し買い」という強引に買い取る商法がはやっていましたが、その際に、家の中にある「貴金属」を無理やり買い取らされた場合(「強迫」による買取契約)は、その契約は「無効」になります。そして、自分の買い取らされた貴金属が「善意」の第三者に渡ってしまった時でも、訴訟を起こせば取り返せるという規則が民法に定められています。

 一方、貴金属の買取業者が、貴金属の正規の価値が100万円なのに対し、「この24金、マークではこうなっていて、重さを計っても100gなのですが、実は、10万円しかしないんですよ。でもお客さんの素直さを買って50万円でかいとらせていただきます。」と「嘘」を言って買い取らせる契約は「詐欺」です。これ自体の契約も前者の「強迫」同様に無効なのですが、それが「善意」の第三者に渡ってしまった場合は、訴訟を起こしても取り返せない(取り返せることが可能であれば「対抗要件がある」といえるが、詐欺の場合は、「対抗要件が無い」という言い方となります。)という結果となります。
 これは、「強迫」からの保護が加害者だけでなく、それから事情を知らず(善意)に手に入れた第三者へも無効とさせることになっているという「強力な法律上の保護」があるのに対し、「詐欺」においては、それを手に入れた善意の第三者には全く文句を言う事ができないという、「半保護」のような結果となっているのが、現在の日本の法律(民法)です。

 今回の事件は「着物を買えばモデルになれる」という条件を信じて、着物を買ったわけですが、実際はモデルになれなかったので着物業者が「契約不履行」ということになりました。さらに、その条件が最初から業者が履行するつもりがなかったということで、最初から「実現不可能とわかっていて、あえて契約をさせた」ということで「詐欺」と検察は判断し名古屋地裁に起訴をしたという状況です。

 ところで、記事の後半では、「モデルの仕事がもらえるかもしれない」という文言で誘っているようなのですが、この文言で誘ったとなれば、詐欺罪の適用はより難しいかと思われます。それでも起訴をしているということは、被告人の背景がモデルの仕事とは全く関係がなく、紹介できるような状況でもないということが捜査機関によって裏付けをされているということです。
 弁護人はどのような反論をするのかわかりませんが、「詐欺」の被害者においては、「下心があったんじゃないの?モデルになれるといったって確率論的な問題なんだから、そこまで考えた上で契約したんですか。」というような心ない反対尋問をしてくることもしばしば見受けられます。

 「詐欺」は結果的には加害者が「欺いて手に入れる」という「頭の中の考え方」が証明されなくては、処罰に取り掛かることができません。現在多くの「詐欺」事件が裁かれていますが、それも「氷山の一角」にすぎません。多くは「捜査機関」の土俵に上がることなく裾野でとどまって「THE END」となることも珍しくありません。

 ではどうするか、結局は「近づかない」事が大切となります。

 





着物モデル詐欺認める 元販売業者ら初公判(名古屋地裁)〜こういったことは詐欺罪で適用されるのが難しいが・・・。


着物モデル詐欺認める 元販売業者ら初公判
2013.8.27 14:30
 名古屋市天白区で着物販売会社を経営していた平成23年に「着物を買えばモデルになれる」とうそをついて購入代金を詐取したなどとして、詐欺罪に問われた無職徳丸隆被告(46)=同市守山区=、元派遣社員、市江登被告(44)=同市中区=の初公判が27日、名古屋地裁(水野将徳裁判官)で開かれ、徳丸被告は「間違いありません」と起訴内容を認めたが、市江被告は大筋で認めたものの「悪意はなかった」と述べた。

 検察側は冒頭陳述で、徳丸被告は以前、別の着物販売会社を経営していたが、特定商取引法違反で業務停止の行政処分を受け、新たに会社を立ち上げて今回の犯行に及んだと指摘した。

 起訴状によると、徳丸被告と従業員だった市江被告は23年12月、モデル志望の女性に着物ショーへの出演を提案。「モデルの仕事がもらえるかもしれない。その都度着物をレンタルするより買った方が得だ」などとうそを言い、購入代金として55万円をだまし取ったとしている。

 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130827/trl13082714320001-n1.htm
(2013/8/27/MSN産経ニュース)


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posted by 管理人B at 18:54| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 刑法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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