2013年09月20日

岩手の事案も「違憲」 婚外子相続格差で最高裁〜父親が浮気をした子供がいたら引き続き厄介、果たしてこの判断吉に動くのか。

 「婚外子」とは、その男女との間に生まれた子供ではあるが、その実の親となるべきその男女(父母)が婚姻の関係にないことによる扱いを「婚外子」といい「非嫡出子」(ひちゃくしゅつし)とも呼ばれています。

 「昔」と言っても30年前とかそれ以前の時代は、今と違い、婚姻率が高かったですし、現在40歳や70年歳になる人は「団塊の世代」などと言われ、子供の出産数も多かったのが実情です。また「専業主婦」の数も今より多い結果から、「結婚すれば男は大黒柱で外で稼ぎ、女である妻は家で子育てと家事に専念」というのがごく当たり前でした。

 しかし、バブルを越える前の1980年代は「女性の時代」とも言われ、「男女雇用均等法」などのような雇用の際には特別な事情の無い限り性別を限定した募集などを禁止する法律が施行されました。

 やがて、バブルがはじけて企業に「不景気」が直撃し、終身雇用が当たり前の時代でなくなり、給料や年金もかつてのように少ない時代になりました。

 その結果、結婚しても女性(主婦)がパートや正社員で家計の補助をしなければならない時代にきており、「婚姻」というものが経済上難しい時代が訪れ、またそれにより男性主体であった「家庭」というものが崩れる結果となり、結局「結婚」という人生の価値観やウエイトが薄れる時代にもなりつつあるということです。

  それらの背景では、「結婚して子供を産む」という社会的な慣習も、今では結婚する前に「子供を産む(産まれてしまったという「できちゃった結婚」など)」ということが珍しくない時代ともなりました。

 したがって、「結婚」と「出産」という社会的観念が薄れ、昭和の後半・平成の時代に突入し、現在の「婚外子」(非嫡出子)という立場が通常の立場の子供(嫡出子)と対等に扱われる時代になったということです。


 今回の場合最高裁が民法の規定について「違憲」という判断をしたため、「民法」をも直さなくてはならないという事態になりました。

 平成7年の状況においては、この民法の規定を「合憲」だったのが、6年後の今になって「違憲」とひっくり返ったのは社会通念が変わったということになります。
 
 ここで困ったことが登場するのは引き続き、自分の父親が死亡した時に浮気した女性との間に産まれた子供が突然登場して「私も相続の権利がある」と主張してくることなのかと思います。
 確かに、産まれてきた子供が「もらいが少ない」差別を受ける筋合いはありません。しかし、こうなると婚姻という「家族の安定」が失われる恐れもすくなからずあり、子供が生まれても籍にいれず、父母別性で過ごす人も今まで以上に多くなることも危惧されます。本当にこの判断がいい方に動くのかは未知数ともいえるでしょう。



岩手の事案も「違憲」 婚外子相続格差で最高裁〜父親が浮気をした子供がいたら引き続き厄介、果たしてこの判断吉に動くのか。

岩手の事案も「違憲」 婚外子相続格差で最高裁
2013.9.20 18:20
 平成15年3月に死亡した岩手県の男性らの遺産分割をめぐる家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允=ひろのぶ=長官)は、結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の半分と定めた民法の規定を「違憲」と判断し、審理を仙台高裁に差し戻した。決定は18日付。14裁判官全員一致の結論。

 大法廷は今月4日、2件の同種事案をめぐって、同規定が「法の下の平等を保障した憲法に違反する」との初判断を示しており、今回の決定もこれを踏襲した。

 同規定については大法廷が7年に「合憲」と判断したが、4日の決定は、家族の多様化や国民の意識の変化、諸外国の婚外子差別撤廃の流れなどに触れ、「子を個人として尊重し、権利を保障すべきであるという考えが確立されてきた」と指摘。嫡出子と婚外子の法定相続分を区別する合理的根拠は失われたと判断した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130920/trl13092018210006-n1.htm
(2013/9/20/MSN産経ニュース)

婚外子訴訟 最高裁決定要旨
2013.9.5 11:10
 婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定を違憲と判断した4日の最高裁大法廷決定の要旨は次の通り。

法廷意見

 相続制度は、それぞれの国の伝統や社会事情、国民感情のほか、婚姻や親子関係への意識や規律を総合的に考慮した上で、どのように定めるかは立法府の合理的な裁量権に委ねられている。

 婚外子の相続分を嫡出子の半分とする本件規定で生じる区別に、立法府の裁量権を考慮しても合理的な根拠が認められない場合は、憲法違反と理解するのが相当だ。

 平成7年の最高裁大法廷決定は合憲と判断したが、国民の意識などは時代とともに変遷する。不断に検討、吟味されなければならない。

 本件規定が設けられた昭和22年の民法改正以降、日本では婚姻や家族の実態が変化した。高齢化の進展に伴い、生存配偶者の生活の保障の必要性が高まって55年には配偶者の相続分が引き上げられるなどした。その後も婚姻や家族の形態が著しく多様化し、国民意識の多様化が大きく進んでいる。

 一方、諸外国では1960年代後半以降、婚外子と嫡出子の差別が撤廃された。現在、日本以外で差別を設けている国は欧米諸国にはなく、世界でも限られた状況だ。国連も本件規定を問題にして、懸念の表明や法改正の勧告などを繰り返してきた。

 日本でも平成6〜18年に、住民票や戸籍での続柄の記載を婚外子と嫡出子で同様に取り扱うようになったほか、20年には婚外子の日本国籍取得を認めない国籍法の規定を違憲とする最高裁大法廷判決も出た。

 相続分の平等化の問題は、かなり早くから意識されて準備が進められたが、法案の国会提出には至らず、現在も法改正は実現していない。

 国民の意識の多様化が言われつつも、増加している婚外子の出生数が欧米に比べると少ないことなど、法律婚を尊重する意識が幅広く浸透しているためと思われる。しかし、本件規定の合理性は憲法に照らして婚外子の権利が不当に侵害されているか否かの観点から判断されるべきだ。

 最高裁は、7年の大法廷決定以来、本件規定を合憲とする判断を示してきたが、7年の決定でも反対意見や、昭和22年の民法改正当時の合理性が失われつつあるとの補足意見が述べられていた。

 平成15年3月31日の同種訴訟の判決以降の判例は、その補足意見の内容を考慮すれば、合憲の判断を辛うじて維持したものとみることができる。

 本件規定の合理性に関する種々の事柄の変遷は、その一つだけでは相続分の区別を不合理とすべき理由にはならない。しかし、昭和22年から現在に至るまで、家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたことは明らかだ。

 そして、認識の変化に伴い、父母が婚姻関係になかったという、子自らが選択や修正する余地のない事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべきである、という考えが確立されてきている。

 以上を総合すれば、遅くとも今回の相続が始まった平成13年7月当時は、相続分を区別する合理的根拠は失われており、本件規定は憲法に違反する。

 ただ、今回の決定の違憲判断が既に行われた遺産分割に影響し、解決済みの事案にも効果が及べば、著しく法的安定性を害することになる。

 従って、今回の決定は13年7月からこの日の決定までに開始されたほかの相続について、本件規定を前提に行われた遺産分割の審判や裁判、分割協議、合意などで確定的となった法律関係に影響を及ぼすものではない。

補足意見

 ▽金築誠志裁判官 最高裁決定の効果は遡及(そきゅう)するのが原則だが、法的安定性を害するときは後退させるべきだ。予測される混乱を回避するためになされたもので、違憲判断と密接に関連しており、単なる傍論ではない。

 ▽千葉勝美裁判官 決定が、違憲判断の拘束が及ぶ範囲を示したのは異例だ。現行の規定を前提に築き上げられた法的安定性を損なう事態が生じるのを避けるための措置で、法令を違憲無効と判断する際には必要不可欠というべきだ。

 ▽岡部喜代子裁判官 夫婦と嫡出子という婚姻共同体の保護には十分理由があるとしても、嫡出子を当然のように婚外子よりも優遇することの合理性は減少した。全体として法律婚を尊重する意識が浸透しているからといって、差別を設けることは相当ではない。

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http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130905/trl13090513580004-n1.htm
(2013/9/5/MSN産経新聞)


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