2013年10月12日

年利10%目標の積立投信「いつかはゆかし」アブラハムプライベートバンク社に6カ月業務停止命令;金融庁〜「どこからが本当でどこからが嘘なのかが分からない」というのが消費者の本音

 「いつかはゆかし」という商品を販売していた。アブラハムプライベートバンクが、証券取引等監視委員会の勧告で金融庁から、「6ヶ月」の業務停止命令を受けたということです。

 「全業務6ヶ月」の処分とは、「6ヶ月間それらの業務ができない」ということなので、それを受けた金融業は「相当のダメージ」を喰らいます。大手の証券会社や銀行等もなんらかのミスや違法性を金融庁から指摘され大々的な報道をされることはあるのですが、それでも軽くて3日とか1週間長くて2週間といったところが多く、また3ヶ月とかそういうことであってもかなり限定した狭い業務であったりしますので、この「全業務6ヶ月」の停止処分は、企業の存続に関わる問題でもあることになります。

 6ヶ月後の処分解除の頃には金融庁から業務内容を改善した上で営業ができるようになるのかもしれませんが、当然ながら今までと同じように「特定のファンド」を紹介するということはできなくなります。
 
 もし、6ヶ月後今までの指摘事項を全部改善して、同様の「いつかはゆかし」を行うとしたらどういうことになるのか少し考えてみたいと思います。


 1、今後の助言は、多くのファンドの中から中立的に助言をすることになります。雑誌などで「高利回り」の成績を評されているものなど、そういった情報を会員には提示することになるのかと思います。
 しかし、そういった「助言」は少なく無いので、今まで通りお客が集まってくるかどうかわかりません。それに「年10%」とか誤解しやすい広告も打ちにくくなるかと思います。

 2、企業収益(アブラハムプライベートバンク社)が激減します。今までは加入費用と投資残高の1%と「キックバック」という紹介手数料で持っていたのですが、今回の違法性の指摘で「キックバック」は消えていきます。さらに宣伝方法も縮小するなどでそれ以外の収益も小さくなるかと考えられます。
 そうなると、同じ公平な土俵で他の「助言業」と競争することになります。今までのような「一人勝ち」的な状況は作れません。

 3、信用問題。これが大きな部分です。6ヶ月後の改善を経て「リニューアル」をした時、今までの宣伝広告勧誘の経緯から「どこまでが本当でどこからが嘘なのかわからない」というレッテルがこの企業には貼られています。この負のイメージを払拭するのはとても容易な事ではありません。
 「年利10%」というのはある程度投資がわかる人が宣伝を見ても「年10%」というのはあくまでも「予想」であるという事はわかっていても、投資に素人の人にはわかりにくい部分があります。それはいいとしても、「助言残高」が「700億円強」に達したという触込みも、これは年10%を享受したあとの実績ということらしく実際の現状は150億円程度と指摘されています。これは誰がみても「著しい粉飾」です。
  



 1〜3を総括してみると、この会社の企業存続が危うくなっても仕方がない状況も考えられます。この会社に要望することはもしアブラハム社が倒産しても、出資者が投資したお金は保全されている事を自ら積極的にアピールすることです。
 あくまでも可能性にしかなりませんが、これにより、今まで投資した人からも信頼をつなぐことができ、この会社も改善後の助言と他の新規業務の開拓をすることにより、なんとかこの会社の生命を維持することができるのかと思います。

 
 







 
 
 年利10%目標の積立投信「いつかはゆかし」アブラハムプライベートバンク社に6カ月業務停止命令;金融庁〜「どこからが本当でどこからが嘘なのかが分からない」というのが消費者の本音





「いつかはゆかし」投資助言業者に業務停止命令


金融庁は11日、無登録で海外ファンドを販売したとして、投資助言業者「アブラハム・プライベートバンク」(東京)に対し、金融商品取引法に基づき同日から全業務を6か月間停止するよう命じた。


 ア社は「いつかはゆかし」という商品名で投資助言サービスを展開。「運用会社から販売手数料などはもらっておらず、中立的な立場で紹介できる」と宣伝し、英領マン島などにある4社のファンドを顧客に紹介していた。2010年8月から今年5月末までに、少なくとも2792人がファンドを購入し、払込額は170億円に上った。

 ところが、顧客のファンド購入額に応じ、ア社はファンドを発行する会社などから多額の報酬を受け取っていた。このため、金融庁はア社が助言サービスから逸脱し、無登録での販売を行ったと判断した。

(2013年10月11日20時41分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20131011-OYT1T01014.htm



あの「いつかはゆかし」アブラハムに業務停止命令へ 期間は6カ月
2013.10.11
    
 金融庁は、金融商品販売業者として登録がないのに販売・勧誘行為をしたなどとして、投資サービス「いつかはゆかし」で知られる投資助言業「アブラハム・プライベートバンク」(東京都港区)に一部業務停止命令を出す方針を固めた。期間は6カ月とするもようで、11日に発表する。

 金融庁によると、投資助言業者は、多くのファンドの中から顧客ごとに適した投資先を勧めて報酬を得る業種。特定のファンドは販売できないにもかかわらず、アブラハムは5つのファンドを顧客に勧めていた。

 また、同社の親会社がファンドから海外の子会社を通じて販売手数料を受け取っていたが、ホームページでは、ファンドから販売手数料は受け取っていないと、事実と違う説明をしていた。

 「ゆかし」は「月5万円の積み立てで1億円を目指す」とうたい、有名俳優を起用した広告で知られる。
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20131011/dms1310111207017-n1.htm
(2013/10/11/zakzak)




アブラハムに6カ月の業務停止命令 会員制組織「いつかはゆかし」展開
2013.10.11 13:02
 金融庁は11日、無登録で金融商品の販売や勧誘をしたなどとして、投資助言会社「アブラハム・プライベートバンク」(東京都港区)に対し、金融商品取引法に基づく6カ月間の一部業務停止命令と業務改善命令を出した。

 投資助言会社は、顧客に投資先を勧めて報酬を得る業種のため、同社は特定の投資商品を販売できない。だが、実際は顧客に特定の海外ファンドの商品に勧め、購入させていた。

 また、親会社が海外子会社を通じて商品の販売手数料を受け取っているのに、販売手数料は受け取っていないと虚偽の説明をホームページ上で掲載していた。

 同社は老後資金を積み立てる会員制サービス「いつかはゆかし」を展開し、有名俳優を起用した宣伝などで事業を伸ばしていた。

 証券取引等監視委員会が3日、同社の事業が金融商品取引法に違反しているとして、行政処分するよう金融庁に勧告していた。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131011/fnc13101113040012-n1.htm
(2013/10/11/MSN産経ニュース)


投資助言会社に業務停止命令
10月11日 14時46分

投資助言会社に業務停止命令
「いつかはゆかし」の名前で海外のファンドへの投資を紹介している投資助言会社が、中立的な助言に見せかけて特定のファンドの勧誘を行っていたとして、金融庁はこの会社に対し、6か月間の業務停止命令を出しました。

業務停止命令を受けたのは、東京・港区の投資助言会社「アブラハム・プライベートバンク」で、「いつかはゆかし」の名前で顧客に海外のファンドへの積立投資を紹介しています。
金融庁によりますとこの会社は、中立的な助言をしているように見せかけて、実際には特定の運用会社などから報酬を受け取り、無登録で特定のファンドの勧誘をしていたということです。
このため金融庁は11日、金融商品取引法に違反するとしてこの会社に6か月間の業務停止命令を出し、顧客への説明など投資家の保護に万全の措置をとることや、再発防止策をまとめることなどを命じました。
これについて「アブラハム・プライベートバンク」は「処分を厳粛に受け止め、責任を持って法令順守体制の強化などの改善策を実行する」とコメントしています。
一方、この投資助言会社を巡っては、日銀の岩田規久男副総裁が副総裁に就任する前のことし1月、この会社のインタビューに応じ、その内容が会社の関連ホームぺージに掲載されていたことが分かりました。
これについて日銀は「岩田副総裁からはこの会社と取材以外での関係はなく、謝礼も受け取っていないと聞いている」としています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131011/k10015213531000.html
(2013/10/11/NHKニュース)






posted by 管理人B at 11:50| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 違法金融 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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