2013年11月07日

安愚楽牧場の関連会社を提訴へ 全国初、近畿の被害者ら〜ブロガーの山本一郎氏の「切り込み隊長」的な訴訟だったら問題はないが、参院議員の山本太郎氏的な異例の行為であればとても不安。

  安愚楽牧場の出資者が関連会社やその役員を提訴したということです。
ちょっと理解に苦しむ可能性があるかも?という提訴です。

 というのは、安愚楽牧場の出資者は近畿だけでなく全国に存在し、その数は7万3000人とも言われています。そのうちの1割が「被害者の会」とも言われる「被害者弁護団」に被害の回復などの法律的な代行を委任しています。その数はざっくり考えても7300人になります。

 当然ですが、委任した7300人(人数の正確さはここでは割愛させていただきます)は望んでいることは、出資した全額を返済して欲しいということです。
 その7300人に委任された弁護士(弁護団)は、その当事者に「全額返済してくれ」と要求をします。
しかし、当事者といっても当の主宰(代表)などは、破産となっていて、訴訟の対象から外されていることも多く、今回の場合も三ヶ尻久美子元代表ら旧経営陣の首脳陣が「破産」にいたっています。
 そのため、返済を求める場合はそれ以外の関与したものに返済を求めることになります。
その結果今回の「被告」ということです。

 実際誰が被告となっているのかは定かではありませんが、通常は役員(法律上でいう「取締役」)や場合によっては「執行役員」(取締役のない役員)・部長等の管理職がその対象となることもあります。
 けれども、会社の運営責任は「取締役」にあるので、特段に理由がない場合は「取締役」が被告となります。

 ところで、普通「お金を返せ」という行為は、「訴訟」(民事裁判)によることも多いのですが、それは、「最後の手段」です。その前に、当事者らに「お金返してください」「はい、返します」ということであれば、その場で解決します。そこで問題がこじれ「お金を返してください」「いいえ返せまえん」とか「いつ返してくれるの?」「10年後位」などということとでしたら、それは「今すぐ返す」ということにしてくれないと困ります。そうなると返せという手段は「訴訟」に限られてしまいます。

 「訴訟」は非常に時間やお金がかかります。だからなるべく避けたいものです。
今回の大阪での「提訴」はそのような事を踏んだ結果なのかもしれません。

 また被害者の会(弁護団)は大阪だけではなく、「全国」向けを対象にした被害者弁護団をはじめ、関東地方に栃木・群馬・千葉・埼玉・東海などにも地域の出資者を対象にした弁護団が存在しています。

  このような被害の回復は希望する全員が原告として「提訴」しなければお金は返ってきません。
本来なら東京などで7300人分(推測して約420億円分)の賠償を求めるのが普通かと思います。
 だから、大阪の弁護団で9人だけ(9人の出資合計分)だけ提訴しても、残りの 4191  7291人分は、別途提訴しなければなりません。残りは東京でまとめて提訴するということなのでしょうか。そういうことでしたら今回の大阪での提訴は2ちゃんねるなどでお馴染みの山本一郎氏のような「切り込み隊長」という存在(証拠をつかむための先進動向のような役割)なのかも知れません。
  しかし、その後において、弁護団事に個々に訴訟が提起されるのであれば、これはもう無駄な訴訟になります。それは同じ内容のものを何度も繰り返すからです。
 先にもお伝えしたとおり「訴訟」はお金と膨大な時間がかかります。訴訟を起こせば「口頭弁論」という公開の法廷での戦いになります。原告の数や賠償請求額も多いから、訴訟費用もかかります。代理人(弁護士)の経費も相当にかかります。一方被告の方も代理人(弁護士)の経費もかかりますし、複数別の裁判所で提訴されるものであるのなら、訴訟の数だけ裁判所にでむかなければなりません。

 費用も訴訟の数の分だけほぼ比例してかかります。
「告訴」(刑事処罰をもとめること)の場合は出資者が地域毎などに弁護団を通じておこなったことがみられましたが、今回の分は出資した分のお金を取り戻す「肝心」の行為です。
 「告訴」と同じように個々に提訴するのであれば、園遊会で天皇陛下に手紙を渡した山本太郎氏のような行為と同じようなことにも見え、大変な時間とお金の無駄になります。



 

 安愚楽牧場の関連会社を提訴へ 全国初、近畿の被害者ら〜ブロガーの山本一郎氏の「切り込み隊長」的な訴訟だったら問題はないが、参院議員の山本太郎氏的な異例の行為であればとても不安。



安愚楽牧場の関連会社を提訴へ 全国初、近畿の被害者ら
2013年11月6日07時22分

 【吉浜織恵】破綻(はたん)した安愚楽(あぐら)牧場(栃木県)の和牛商法事件で、近畿の出資者9人が6日にも、関連会社とその役員29人らを相手取り、約1億6千万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こす。原告弁護団によると、同牧場の関連会社の責任を問う訴訟は全国初という。

トピックス「安愚楽牧場」
 原告側によると、9人は、同牧場大阪支店で契約した大阪府や滋賀県などの40〜70代の男女で、出資額は計約4億3千万円。

 被告は、元社長の三ケ尻久美子被告=特定商品預託法違反罪で公判中=ら旧経営陣の親族が役員の3社と、3社を含む関連会社の役員ら。同牧場からの貸付や未払い金がある▽関連会社の役員を5年程度務めたか、同牧場役員の経験がある――などの条件で選んだ。ただ、3社以外の会社は大半が破産か休眠状態という。
http://www.asahi.com/articles/OSK201311050140.html
(2013/11/6/朝日新聞)





安愚楽牧場「和牛商法」、関連会社などを提訴へ



 経営破たんした安愚楽牧場の和牛商法事件をめぐって、近く、近畿の出資者らが牧場の元役員らに損害賠償を求める全国で初めての民事訴訟を起こすことが分かりました。

 大阪地裁に提訴するのは、安愚楽牧場におよそ4億3000万円を出資した男女9人です。安愚楽牧場の元社長らは、繁殖牛の数を水増しして出資を募り、最終的に経営破たんして、およそ4200億円の被害を出したとされています。

 弁護団によりますと、破産した牧場本体や元社長は支払いが難しいことから、グループ全体の責任を問い、関連会社3社と元役員ら29人を相手に、およそ1億6600万円の賠償を求める方針です。(06日11:41)
http://news.tbs.co.jp/20131106/newseye/tbs_newseye2047869.html
(2013/11/6/TBS)




安愚楽出資者、経営陣に1億6000万円損賠提訴へ 
2013/11/6 12:06

 経営破綻した安愚楽牧場(栃木県那須塩原市)の和牛商法を巡る特定商品預託法違反事件で、近畿の出資者9人が関連会社とその役員ら29人を相手取り、約1億6千万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こすことが6日、分かった。原告弁護団によると、出資者が経営陣を提訴するのは初めて。

 原告側によると、9人は40〜70代の男女。出資額計約4億3千万円のほぼ全額を失ったという。

 訴えるのは、法人としての関連会社のほか、同社元社長の三ケ尻久美子被告(69)=公判中=の長男ら親族を含むファミリー企業の元役員ら。

 弁護団によると、安愚楽牧場は出資者向けの見学会にグループ内のホテルやレストランを活用しており、牧場本体とグループ会社の役員を兼務する場合もある。弁護団は、和牛商法はグループ全体で推進され、幹部らは早い時期から経営破綻の実態を把握していたと判断したという。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0601A_W3A101C1CC0000/
(2013/11/6/日本経済新聞)


安愚楽提訴へ:1900万円被害者 何があったか知りたい
毎日新聞 2013年11月06日 02時31分(最終更新 11月06日 07時33分)

保有頭数の増加をアピールする安愚楽牧場のパンフレット。このパンフレットをみて投資した人も少なくない。

拡大写真
 「裁判所には詐欺と認めてほしい」。安愚楽(あぐら)牧場による和牛商法事件で、近畿の出資者が訴訟を起こすことを決めた。刑事事件としては詐欺罪が適用されなかった過去最大規模の投資被害事件。原告らは、和牛商法の実態が民事裁判で明らかになることを期待している。

 大阪地裁に提訴する原告の一人、大阪府摂津市の女性(70)は女手一つで育てた子どもに資産を残したいと、コツコツとためた預金を元に約1900万円を投じたが、すべて失ったという。

 女性は結婚して子ども3人をもうけた。夫の暴力などが原因で離婚し、新聞配達、アパートの管理人、皿洗いなど、いくつもの仕事を掛け持ちし、子どもを育て上げた。

 安愚楽牧場への最初の出資は約25年前。「自分が苦労した分、子どもに少しでも蓄えを残してやりたい」。そう考えて200万円を投資した。配当は滞りなく支払われたため信用し、その後も出資を重ね、家族名義も含めて総投資額は約1900万円に上った。

 安愚楽牧場は元社長の三ケ尻久美子被告(69)=公判中=が中心になり、テレビCMや雑誌の広告を展開して出資者を募集し、事業を拡大してきたとされる。グループ企業がレストラン、ホテルなどを経営、「安愚楽ブランド」を形成した。

 女性は有名ホテルなどで開催された牧場のパーティーに複数回招待されて参加した。三ケ尻元社長も顔を出して一緒に食事し、すっかり信用したという。

 しかし、実際は、顧客が投資した分の繁殖牛も飼育されていなかったとされるが、何の説明もなかった。

 2010年、口蹄疫(こうていえき)ウイルスが病原体となって牛や豚に感染する問題が起きたが、牧場からは「大丈夫」という趣旨の文書が届いただけだった。

 出資金を失った女性は現在、年金だけでは足りないため、病院の清掃の仕事をして生活しているという。

 三ケ尻元社長らは特定商品預託法違反(不実の告知)の罪で起訴されたが、より法定刑の重い詐欺罪については、犯意の立証が難しいなどとして不起訴となった。

 女性は「詐欺罪に問われないのはおかしい。民事裁判を起こすことで、一体何があったのか知りたい」と話した。【渋江千春】
http://mainichi.jp/select/news/20131106k0000m040153000c.html
(2013/11/6/毎日新聞)


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この記事へのコメント
いつもお世話になっております。

> だから、大阪の弁護団で9人だけ(9人の出資合計分)だけ提訴しても、残りの4191人分は、別途提訴しなければなりません。

「残りの4191人分」は数字が違うと思いますが、金額か人数か含めて修正いただければと思います。

今後とも考察等、宜しくお願いします。
失礼いたしました。m(__)m
Posted by roko1107 at 2013年11月08日 10:26
roko 様

 大変お世話になります。
ご指摘の件ありがとうございました。

 7300人(ザックリの弁護団総委任者数)-9人(今回の安愚楽牧場での大阪地裁での損害賠償請求訴訟の原告数)=7291人
 が本来記載したかった人数です。

 4191人は4200億円の4200から9(人)を引いてしまったことが原因です。

 roko様のお膝元での大阪での提訴、目を離すことができないかと思いますが、引き続き私も話題にできるかぎり触れていかれればと思います。
 ありがとうございました。
Posted by 管理人C at 2013年11月09日 14:46
安愚楽弁護団に委任しています。いつも情報提供くださりありがとうございます。知らないことが本当によくわかります。ネットの初心者ですみません。
今回は大阪で提訴した話ですね。栃木の方は大丈夫なのでしょうか。それともあとから栃木弁護団でも裁判をやってくれるのでしょうか。今回の提訴は人数も少ないので気になります。
Posted by 白くまパパ at 2013年11月10日 16:13
白くまパパ 様

 ご愛顧いただきありがというございます。
栃木にお済みでいて、栃木の弁護団に委任しているということで、そのような解釈でいきたいと思います。

 今回の提訴は9人で4億3000万円ということです。
これは9人が出資して配当等を引いた額の合計が4億3000万円ということだと思います。

 恐らく好意的に考えて、全国の委任している被害者の「切り込み隊」ではないかと考えています。本当の被害回復は全員分の損害額の合計額の請求をするのが普通です。

 なぜこのようなことをするのかというと、正直なところ「勝算」の見込みや勝訴の見込みがあってもどのくらいの賠償額になるのかわからない(つかめていない)ということになるのではないかと思います。

 また、本来刑事事件で詐欺罪などであれば、もう少し突っ込んだ証拠もつかめるかと思いますが、今回の刑事訴訟では、それなりの事件の証拠しかつかめないような目論見もあり、証拠を掴んで、その状況で全体の訴訟といくのではないかとも見ています。

 栃木ではやらないということはないと思いますが日々の動向には注視されることが大切かと思います。
Posted by 管理人C at 2013年11月11日 16:35
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