2013年12月13日

ヤマダ電機(群馬県高崎市)に賠償請求(前橋地裁高崎支部) 長時間労働で自殺と遺族〜訴訟の管轄は被告本社所在地と関係なく原告が楽なところに決めるのが吉

 「ヤマダ電機」は家電量販店の会社で、現在国内で最大手と言われています。かつて「家電量販店」という業界のメッカは東京の秋葉原が長きに渡り担っていました。

 しかし、1995年のウインドウズ95日本版の発売により、電気の街からヲタクの街に徐々に変わり、今では、「家電」に関しては、「秋葉原」というよりは、東京の「池袋」の方にシフトしていきました。そして前年の2012年ご病気で亡くなられた流通ジャーナリストで特に家電の「購入」に詳しい金子哲雄さんは、家電を求めるのに「池袋価格」(つまり、池袋で買うのが最も安く買える)という言葉を用いるようになり、今ではそれが浸透してきています。

 この「池袋」を家電のメッカとしてキッカケを作ったのは、同業者の「ビックカメラ」(池袋がこの会社の本拠地であり本店)です。1970年代から群馬県高崎市で創業して、池袋に進出して約20年以上営業してきています。その20年後の同じ群馬の前橋市創業のヤマダ電機がロードサイドでの出店がメインだった営業戦略から池袋のしかもビックカメラ本店のすぐそばに、出店いたしました。

 そこから、この家電戦争がエキサイトすることにより、「池袋」が家電購入の代名詞になると頃まできてしまいました。


 家電が安く買えるというのも、このような競争が激化しているおかげで、当然資本主義の原理が働き「低価格競争」というものが実現しています。

 でも「低価格」を引き出している原資は何かといえば、「低賃金の労働力」に他なりません。
ローコストの労働力は、ヤマダの専売特許のようなものです。
 今こういった家電量販店にかぎらず、大手スーパーなどにおいても、従業員を見渡せば、そこの「正社員」は少なく、多くが「契約社員」と言われるフルタイム・パートタイムの社員であったり、派遣社員やアルバイトでの就業も非常に多く占めています。「正社員」は10人に1人という位の割合かと思います。


 さらにヤマダが考えた手法は、仕入れ業者(panasonicやシャープなどのメーカー)の販売員を利用して、自社製品とは全く関係のない商品の販売もやらせていたということです。その行為が以前労働局から物言いがついた事は、有名なことです。

 当然そういった事があるのですから、そこに所属する「正社員」は非常に厳しい労働環境となっていることは推察されるかと思います。

 今回の損害賠償請求訴訟は、

 ヤマダ電機に勤めていた正社員(就業期限を設けていない従業員、つまり定年迄働ける従業員)が2007年にうつ病を患って自殺したということです。その原因はヤマダ電機での長時間労働によることだとして、本社のある群馬県の前橋地裁高崎支部に提訴したということです。先駆けて就労していた場所を管轄する労働基準監督署からも「労災」の認定がされているため、遺族は当然怒りもあることながら、原因はヤマダ電機にあるということで、前橋地裁高崎支部に訴えたということです。


 106時間の時間外労働時間は、
  106時間(1ヶ月)÷20日(単純に週5日労働とすると)=5.3時間
 1日の法定労働時間は8時間ですから、8+5.3=13.5時間

サービス業なので、普通の事務職の会社勤務体系とは違いますが
 
9時+13.5時間=22.5時 昼に1時間休憩をいれると 23.5⇒つまり朝9時から 午後11時半迄毎日勤務しているということになります。
 非常にキツいです。体が不調になっても当然のことです。


 この亡くなられた社員の方やご遺族は、本来は、どこにお住まいだったのかはわかりませんが報道では「柏崎市の男性」ともなっているので、新潟を拠点として生活していたのかとも思われますが、こういった時に重要になることが、提訴する裁判所の管轄です。

 よくサービスの「契約」をする時に「合意管轄裁判所を東京地方裁判所を第一審とする」などということが記載されており、大抵はその相手企業の「本社」であることが多いです。
 そして、その後において不具合が発生したりなどで紛争⇒裁判に発展するときに、裁判を起こすにはその契約書で合意したところでなくてはならないのかという話もよく出てくるのですが、決してそうではなく、何らかの関わりがあれば、原告の最も都合のよいところで提訴するのがいいかと思います。

 ですから、仮にご遺族等が新潟の柏崎に住んでいれば、ヤマダ電機の柏崎市の店舗がある地方裁判所に提訴すればより低コストで提訴できるものと思います。

 当ブログで取り上げた「民事裁判事件」に関しては、
武富士の過払い金返金訴訟においては、被告(創業者一族)の本拠地は西新宿なので、東京地方裁判所へ提訴をするのが、一応の筋なのですが、実際は、借主が契約した店舗のある裁判所に各々提訴しています。
被告からは、「頼むから、訴訟は東京で一本かしてくれ」と管轄の無効などを主張しているようですが、裁判は個々に提訴された裁判所で進行しています。

 また安愚楽牧場の損害賠償請求訴訟では、旧経営陣に対しての訴訟がごく一部の被害者(出資者)により提訴されましたが、その提訴の場所が安愚楽牧場の拠点(本社のある栃木県那須塩原市や営業所のある東京都中央区)とは関係のない大阪地方裁判所にて提訴されています。

 そういった例から見ても、「合意管轄裁判所」はあっても、原告が提訴するのに最も都合のよいところを選ぶのがその後の手間暇や金銭面でも吉であることがわかるかと思います。


 今景気の低迷で、倒産する会社も少なくありませんが、その回避策として、「低賃金長時間労働」や「サービス残業」なんていうものが堂々と行っている実態があり、「ブラック企業」という言葉が流行語大賞になるような時代にまで来ています。




ヤマダ電機(群馬県高崎市)に賠償請求(前橋地裁高崎支部) 長時間労働で自殺と遺族〜訴訟の管轄は被告本社所在地と関係なく原告が楽なところに決めるのが吉


ヤマダ電機に賠償請求 長時間労働で自殺と遺族
2013.12.12 22:26 [自殺・自殺未遂]
 家電量販店大手「ヤマダ電機」(群馬県高崎市)の正社員だった新潟県柏崎市の男性=当時(23)=が2007年、長時間労働で鬱病を発症したことが原因で自殺したとして、遺族が約1億2千万円の損害賠償を求め前橋地裁高崎支部に提訴していたことが12日、分かった。提訴は11日付。

 原告の代理人によると、男性は04年12月、ヤマダ電機に契約社員として入社。07年8月に正社員になり、新潟県柏崎市に新規開店する予定の店舗に管理職のフロア長として異動した。

 その後、鬱病を発症して9月19日、社宅の自分の部屋で首をつって自殺。直前の1カ月の時間外労働時間は約106時間に及んだとしている。

 長岡労働基準監督署(新潟県長岡市)は11年6月、男性の長時間労働と自殺には因果関係があるとして労災認定した。

 ヤマダ電機広報部は「訴状を受けていないのでコメントできない」と話している。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131212/trl13121222280015-n1.htm
(2013/12/12/MSN産経ニュース)




うつ病自殺:遺族がヤマダ電機を提訴「長時間労働で」
毎日新聞 2013年12月11日 20時11分(最終更新 12月11日 20時24分)

 家電量販店大手「ヤマダ電機」(本社・群馬県高崎市)の店舗に勤めていた男性社員(当時23歳)が自殺したのは、長時間労働でうつ病になったためとして、男性の遺族が11日、同社に対し約1億2000万円の損害賠償を求め、前橋地裁高崎支部に提訴した。

 原告側弁護士によると、男性は新規開店予定だったテックランド柏崎店(新潟県柏崎市)で管理職のフロア長として勤務していた2007年9月19日、同市内の社宅で首つり自殺した。死亡までの1カ月間の時間外労働は約106時間で、男性は同月15日ごろまでにうつ病にかかっていたとして、長岡労働基準監督署(同県)が11年6月に労災認定した。

 原告側は「長時間労働を認識しながらも休日に業務を命じるなどしており、安全配慮義務を怠った」と主張。同社側に資料の開示と話し合いでの解決を求めたが応じなかったため提訴したとしている。

 同社広報部は「訴状を受け取っていないので、コメントできない」としている。【田ノ上達也】

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石綿労災訴訟:不認定の処分取り消し請求を棄却 神戸地裁
http://mainichi.jp/select/news/20131212k0000m040029000c.html
(2013/12/11/毎日新聞)


ヤマダ電機、過酷ノルマや長時間残業で店長の自殺相次ぐ〜架空売り上げも発覚か
【この記事のキーワード】ヤマダ電機 , ワタミ , 家電量販 2013.12.12

 



ヤマダ電機 LABI渋谷店(「Wikipedia」より)
 本日(12月12日)発売の「週刊文春」(文藝春秋/12月19日号)が、家電量販店最大手のあの企業のブラック企業体質について報じている。
 その企業の名は、ヤマダ電機。家電量販店業界では、昨年、ヤマダ電機がベスト電器を買収し、ヤマダ・ベスト、ビック・コジマ、エディオン、ケーズホールディングス、ヨドバシカメラ、上新電機の6グループに再編され、競争が激化している。

 中でもヤマダ電機は業界最大手だが、文春の記事によれば、その裏には売上ノルマ達成への激しいプレッシャーが各店舗の店長に課せられているという。今年9月から行われている取締役本部長主催のテレビ会議には、全国の店長が出席し、前年比の売り上げを落とした店長が、1時間近くつるし上げにあうという。

 そうしたノルマ達成の厳しいプレッシャーにさらされたことが原因なのか、福島県にオープンしたテックランド船引店の店長は、営業不振に苦しんだ揚げ句に架空売上を計上するなどして、今年7月には自殺にまで追い込まれたという。ほかにも、2007年にテックランド柏崎店に勤務していた男性社員が、長時間労働の末にうつ病を発症し自殺。今月11日に遺族が損害賠償を求め提訴したと報じられている。

 店長に課せられるノルマはどれほどなのか。記事では「近所のケーズデンキの売り上げをすべて奪ったとしても達成できない数字が課せられている」という現役店長の証言がある。さらには、今年から店長には点数が付けられ、2半期連続で点数が悪いと降格処分になるともいう。こうした背景から店長の長時間労働が常態化。文春が入手した内部資料によれば「今年の9月7日以降の4週間で残業時間が40時間を超えた者が、全国607店舗で1819人にものぼった」とのこと。さらに、厚労省が定めた月80時間の過労死ラインを超えた者が46人もいるというのだ。その上、店長の給与は平均で月40万円程度でボーナスはなく、残業時間を考えると決して高くはない。

 こうした背景のためか、11月7日号の文春では「管理職による商品泥棒や現金盗難などの不正が横行している」と、内部資料をもとに報じられていた。

 また、すでに10年に月刊誌「サイゾー」(サイゾー)は、『ヤマダ電機の激安快進撃の裏に法令不尊守と社員の酷使アリ』と題し、同社のブラック企業ぶりを報じている。その記事によれば、売上を達成するために店員の自腹購入があることや、フロア責任者や店長が、店員全員がつけているインカムを通して「今日の自分の売上額、言ってみろ」「そのお客落とせなかったら、転職候補な」などと暴言を吹き込んでいるとも。さらにそうした暴言が理由で急性ストレス障害と診断され退職した店員までいるという。
 
 文春はここ数年、ブラック企業と噂される有名企業の闇を暴いてきた。今年6月には外食チェーン大手のワタミを特集。6月13日号では「自民党参院候補 ワタミ渡邉美樹会長は“ミスターブラック企業”これだけの根拠」と題し、社員が長時間労働にもかかわらずほとんど休憩時間を取れない実態を報じ、続く6月20日号では、ワタミのグループ会社「ワタミの介護」が運営する施設で事件や事故が続出しているとも報じた。また、6月27日号では「“ブラック”過ぎる学校経営」という特集で、渡邊氏が理事長を務める学校で、教師の携帯電話番号を生徒に教え、24時間365日いつでも電話していいという“斬新な”教育方針を報じていた。


 ワタミのほかにも、文春のユニクロに関する記事は訴訟にまで発展。ユニクロを展開するファーストリテイリングなど2社が、文春の記事や11年に出版された『ユニクロ帝国の光と影』(横田増生/文藝春秋)に名誉を毀損されたとし、出版差し止めや損害賠償を求めていた裁判の判決が10月18日にあり、東京地裁は「月300時間以上働いている」という元店長の話は信用性が高いとして、ユニクロの訴えを退けている(その後、ユニクロとファーストリテイリングは東京高裁に控訴)。

 毎年恒例となった「2013 ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンにも選ばれた「ブラック企業」という言葉。今後、どの有名企業が、文春にブラック企業認定されるのか注目が集まる。
(文=本多カツヒロ)
http://biz-journal.jp/2013/12/post_3597_2.html
(2013/12/12/ビジネスジャーナル)



2013年 12月 11日 20:04 JST 更新
社員自殺でヤマダ電機提訴=遺族「過労でうつ病」−前橋地裁支部

 家電量販店最大手のヤマダ電機(群馬県高崎市)社員だった男性=当時(23)=が2007年に過労自殺したとして、母親ら遺族3人が11日、同社に約1億2000万円の損害賠償を求める訴えを前橋地裁高崎支部に起こした。

 原告代理人の弁護士によると、男性は04年12月、契約社員として入社。07年8月に正社員となり、テックランド柏崎店(新潟県柏崎市)の開店準備のため転勤した。ほぼ毎日、早朝から深夜まで勤務し、9月15日ごろうつ病を発症。同19日に社宅内で首をつって自殺した。自殺前1カ月の時間外労働時間は約106時間に上った。

 11年6月、長岡労働基準監督署が労災認定した。

 ヤマダ電機は「訴状を受け取っていないので、コメントできない」(広報部)と話している。 

[時事通信社]
http://jp.wsj.com/article/JJ10733941385611363609320393130170074835720.html
(2013/12/11/ウオールストリートジャーナル)










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