2014年01月20日

MRIインターナショナルの投資に4000万円、「私が悪い」と命を絶った50代妻 夫は「資金返還、せめてもの供養に」〜とにかくひとりで悩まず多くの人に相談。残された人の事を考えれば、どんなに苦しくても命を絶つのは絶対にダメ!!

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 今の日本は「アベノミクス」やらの効果で少しは景気を持ち直しているらしく、「ミニバブル」10年前(2004年・平成16年頃)と同じような時代に入っていったのか?という話もあちこちから聞こえてきます。
 しかし、市民の生活はそれほど「アベノミクス」の恩恵を感じられず、特に高齢者が受給する「年金」などにおいては、受給額の引き下げが始まり、多くの「年金受給者」の不安を仰いでいます。

 また、労働環境においては、やっと大企業において「賃金上昇」のような話もささやかに聞こえ始めているだけで、その他においては、一向に「アベノミクス」効果が給与に反映されているような実感はありません。

 そのため、多くの日本人は「経済的な不安」を感じており、自衛の手段を必然的に講じはじめるのが普通ですし、実行している人も少なくありません。

 若い世代においては、「労働」という手段で生活資金を稼ぐことがメインとなっていますが、高齢者においては「労働」ができるわけではないので、資金をどうやって節約及び運用していくかということに頭が先にいくのも必然的になってきます。

 そこで、真っ先に目が行くのは銀行預金やゆうちょ定額貯金などの「利率」です。20年前・30年前は利率も5%というような時代もありましたが、今ではそれも0.1%あればいい方で、ほとんど「利息」が付かないのが現状です。

 そして、その次の対策は「証券貯蓄」といわれるもの。元本の保証こそはないが、元本をわるようなことが無い普通預金レベルのMMFやMRFという投資商品。それでも0.2%というようなレベルなので、元本を増やすには程遠いものとなっています。
 そういう場合証券会社からは、「株」どうですか、「外国債もいいですよ」、だったら「投資信託」でもいかがですか。と勧められることもあるかと思います。
 これらは、当然元本割れも当たり前のようになっている結果もあり、それなりの「勉強」も必要なので、誰もがおいそれとやることは簡単にできません。

 そうなると、前向きに考える人や冒険心のあるような人においては、それ以外の「金融商品」に目が向けられてしまいます。
 過去には多くの「金融商品」が発売され運用されていますが、その商品の性質上、どうしても「ハイリスクハイリターン」のものとなってしまいます。銀行やゆうちょと同じような利率であれば、当然魅力よりは、信用性の方に疑問が偏るので、皆寄り付かないでしょう。それでは銀行ゆうちょ以外の「資金運用会社」においては、「高利回り」提示して、一般市民の心を動かそうとしてきます。
 そのようなものの一つに本件の「MRIインターナショナル」の投資商品があります。


 本件の被害者(当時40代女性で関東在住)がこの商品と知り合って出資したのが平成14年(2002年)ということなので、今が平成26年だから約12年前ということになります。
 21世紀に入ってからまもなくというところでしょうか。

 その頃は「金融商品取引法」(平成19年施行)というような法律が無く、それより狭い「証券取引法」という法律で一部の金融商品(証券会社などの金融商品)で法律の規制や監督官庁からの受けていたすぎません。従って、MRIインターナショナルのような金融商品は特別な法律に縛られたり「監督官庁」というものがなかったので、自由に「直接金融」というような形で金融商品を販売・運用していたということになります。

 こういった商品には最初は誰でも不安があるので、とりあえず「最低単位の資金だけでやってみる」ということで投資する人が多いです。
 その後「配当もあるしきちんとしている」ということで、再投資や投資資金の増加で出資額がどんどん増えていきついには他の預金のものほとんどを全額MRIにつぎ込んでしまったというような例も少なくありません。
 この女性もその一人だったのかと思います。

 投資にはリスクとリターンが背中合わせになっており、当初の投資額の5倍にもなったという事もあれば、全額無くなってしまったという事も当然あります。
 これはこういった投資にかぎらず、一応安全と言われている「上場企業」の株式でさえ、倒産ということになれば、全額が無くなってしまい「紙くず」同然にもなってしまいます。

  これはあくまでも「投資」に関しての常識にすぎません。
誰でも知っているようなことですが、「投資」する以上、それなりの下準備やその人なりの「調査」というものをしているかと思います。

 その手の専門家や投資に長けた人であれば、その投資しようとする会社の「財務内容」などを「貸借対照表」・「損益計算書」やもう少し突っ込むと匿名掲示板「2ちゃんねる」などで調べるかと思います。
 一方一般の市民の方や全くの投資の素人に関しては、その会社の説明やパンフレット・会社が提示している「過去の実績」などを鵜呑みにして、投資の決意をする人が多いです。

 その後は先述のように、配当が期日停滞なくきちんと振り込まれていたりすれば、一層その投資への想いは熱くなり、より多くの金額を投じてしまうということとなります。
 
 結局は投資家といえる本人が気をつけなければなりませんが近年こういった投資詐欺や詐欺まがいの事件が多発しています。
 特に現在は日本的も世界的にも経済的に困窮している時代であるため、少しでも生活改善や豊かさを求めたい一心などからもこういった投資案件に陥ってしまうケースが増大しています。

 一番残念なケースはこのような被害に遭い「自ら命を絶つことです」
 お金は(4000万円も稼いで取り返すのは大変難しいですが)また働けばその金額を取り戻すことは可能です。それにこれを機に「お金」との付き合いを切り離して人生の別の生き方を選択することもつらいことですが可能です。世の中お金で解決することが多いですし、「お金は天下の回り物」というくらいですから、「お金の力」は人生において重要な要素を占めています。

 でも「命」は1回切りでもう再生はできません。さらに残された人の身を考えれば、残された夫・子どもはもっとつらいです。
「元銀行員」だったのだから、「やられたらやり返す倍返し」ぐらいはしてもらいたかったです。



 幸いにもこの事件(投資被害)をはじめとする事件の被害者(出資者)は意外にも多くいるものです。そういった被害者が集まりお茶でも飯でもいいから話をする。大したことではないかもしれませんが、これだけでも「命を絶つ」事を思いとどまる人は少なくありません。
 こういった些細な「お茶飲み」のようなことが、次第に被害者の会(被害者団)に発展するようなケースも少なくありません。

 大きな事件では、その方面の被害回復に詳しい弁護士が相談に乗ったり、場合によっては「被害者弁護団」というものを立ち上げて被害者をあつめて、法的な被害回復に乗り出すこともあります。
 最終的な解決はやはり「法律」によるものだから、可能であれば、そのようなところで被害回復を目指すことが必要かと思います。


 MRIインターナショナルの被害においては、非常に難しい事件でり解決も当然一筋縄ではいきません。それでも、MRI被害者の会というものにおいては、名古屋在住の人が主宰し、飲み会のようなものが主要都市で開催されそれに参加された被害者も精神的にはかなり安堵しているのではいのでしょうか。
 またMRI被害弁護団も動きがとても早く、厳しい状況の中でもそれなりの実績を得ている部分は被害者においては大変幸運だったかと見ています。

 

 

 



MRIインターナショナルの投資に4000万円、「私が悪い」と命を絶った50代妻 夫は「資金返還、せめてもの供養に」〜とにかくひとりで悩まず多くの人に相談。残された人の事を考えれば、どんなに苦しくても命を絶つのは絶対にダメ!!



MRIに4000万円投資、「私が悪い」と命を絶った妻 夫は「資金返還、せめてもの供養に」
2014.1.19 12:00 
米ネバダ州ラスベガスのMRIインターナショナル本社=平成25年9月(共同)


 子供の教育費として大切にしていた資金だった。きちょうめんで慎重な妻だった。日米当局による資産消失疑惑の解明が進む資産運用会社「MRIインターナショナル」(本社・米ネバダ州)に約4000万円を拠出した「自責の念」にさいなまれ、関東地方に住む50代男性の妻は、自ら命を絶った。「少しでも多くのお金を返してもらうことが、せめてもの供養になる」。昨年4月の疑惑発覚から9カ月。資金返還のめどが立たぬ中、男性の思いが同社のエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ社長(67)に届く日は来るのだろうか。

東日本大震災の保険金も投資

 男性と40代の妻が、MRIへの投資を始めたのは平成14年。妻の親が死去したことで遺産を相続したことがきっかけだった。「大事に使えよ」との男性の言葉を受け、元銀行員で慎重な性格の妻は「将来の子供の教育費に」と複数の金融機関などに分散して投資。投資先の1つがMRIだったという。

 当初、MRIへの投資は750万円。だが、年利6・0〜8・5%は魅力的だった。配当も滞ることはなく、妻は徐々に分散投資していた遺産をMRIに集めるようになる。男性はMRIの運用手法などを詳しく知らなかったが、「外資のもので利率がいいの」という妻の提案に同意。その後、東日本大震災で自宅が一部損壊した際に下りた保険金約1000万円もMRIにつぎ込むなど、投資額は計3750万円にふくれ上がっていた。投資は順調なはずだった。

「最初から疑っていれば」

 平成25年4月26日朝。会社に向かう電車内で、妻から男性の携帯電話に連絡が入った。電話口で、妻は取り乱してこう言った。

 「大変なことになった。家に戻ってきて!」

 「すべて」を投資していたMRIに対し、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反(誇大広告)容疑で強制調査に踏み切った様子が、テレビニュースで報じられていた。

 狼狽(ろうばい)した妻を心配した男性は、会社を早退して帰宅。「落ち着け。起こってしまったことはしようがない」。男性が慰めたが、妻の耳には届かない。MRI日本支店に何度電話をしてもつながらず、不安に拍車をかけた。「最初からもっと疑ってかかっていれば、こんなことにはならなかった。どうしよう。どうしよう」。同じ台詞(せりふ)を繰り返す妻。この日を境に、妻は食事がのどを通らず、睡眠も十分にとれなくなっていった。

急性ストレス障害、仮退院の直後に…

 5月3日の朝。妻は自宅のベッドで呆然(ぼうぜん)と座り込んでいた。首にはひもの痕のようなあざ。ぶらさがり健康器にひもをくくりつけ自殺を図ったが、ひもが切れたとみられた。「私が悪い。どんどんMRIに(投資を)集めてしまった。子供に申し訳ない」と書かれた“遺書”も見つかった。男性は急いで妻を病院に連れて行き、そのまま入院。妻は「急性ストレス障害」と診断された。

「おまえがいなくなったら、解決するわけでもない。子供の教育だって、生活だって何とかなる。みんなで何とかしようよ」。男性は妻に寄り添い続けた。その後、妻の気持ちが落ち着いてきたように見えたため、6月28日に仮退院した。

 翌29日、妻に「洗濯物を洗ったので干しておいてくれよ」と言い残し、男性は子供の学校の保護者会へ。昼過ぎに一度、自宅に電話を入れた際は出なかったが「寝ているのだろう」と思った。保護者会が終わり、夕方に再度、電話をすると、部活を終えて帰宅した中学生の長女が出た。「ママはどうした?」「いないよ」。嫌な予感がした。長女に家中を探すよう伝え、急いで車を自宅へと走らせた。

 途中、長女から電話が入った。「ママ、いたよ」。

 妻は自宅2階の納戸で見つかった。パイプラックにかばんのひもをくくりつけ、座るような姿勢で、自分の首にもひもを巻き付けていた。長女がひもをはさみで切ったが、妻はすでに冷たくなっていた。

 男性が帰宅すると、妻にお願いした洗濯物は、きれいに干されていた。

資産総額不明…見えぬ返還

 約8700人から約1365億円を集めたとされるMRIの資産消失疑惑が発覚して約9カ月、妻の死から7カ月がたった。
この間、監視委や米証券取引委員会(SEC)の調査で、フジナガ社長が、顧客から集めた資金を自らの妻子の養育費や高級車の購入代などに充てていたことが判明。米司法当局がフジナガ社長の刑事責任追及に向け動き出す一方、資金返還のめどは、いまだ、見えてこない。

 米連邦地裁は同社の資産凍結を命じる決定をしたが、同社の現時点での資産総額は不明のまま。5都県の出資者が同社に出資金の返還を求めた訴訟は、東京地裁が14日、「日本では裁判を起こせない」と訴えを却下。これとは別に、日本人出資者がネバダ州の裁判所に提訴した出資金返還訴訟では、賠償金が得られれば訴訟に参加していない出資者にも分配される見通しだが、判決までは時間がかかるとみられている。

 「投資した方もバカなんだろうが、MRIは詐欺そのものだった。フジナガに対する気持ちは、ちょっといろいろありすぎて…」

 男性はしばし沈黙した後、続けた。

 「車などを買う余裕があれば、最大限の金を返してほしい。結局は、それに尽きる。妻はもう、『MRI』なんて言葉は聞きたくないだろうから、墓前に報告することもない。それでも資金が返ってくることが、せめてもの供養になるでしょう」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140119/crm14011912000005-n4.htm
(2014/1/19/MSN産経ニュース)




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