2014年02月19日

株式会社梅(旧金城樓で清算目的会社で東京都港区)が特別清算。 新会社「金城樓」(石川県金沢市)は現在も健全に営業継続〜いわゆる「ウルトラC」(会社を資産と負債に分割し負債会社を清算させる術)による企業再生は信頼と実績があるからこそ成り立つ。

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株式会社梅(旧金城樓で清算目的会社で東京都港区)が特別清算。 新会社「金城樓」(石川県金沢市)は現在も健全に営業継続〜いわゆる「ウルトラC」(会社を資産と負債に分割し負債会社を清算させる術)による企業再生は信頼と実績があるからこそ成り立つ。


 石川県金沢市にある料理屋「金城樓(きんじょうろう)」というところがあります。この料理屋は「加賀百万石のおもてなし」を基調とした由緒ある料理屋です。創業な1890年(明治23年)です。ですから2014年現在までの営業年数は124年となります。おかげさまで現在も営業を継続しています。

 しかし、1980年代後半から1990年代前半まではバブルの絶頂期で料理店金城樓もその恩恵に預かり右肩上がりの成長を続けました。しかしバブルの崩壊はこの料理店にも大きく影響し1995年6月には約14億円の売上を頂点にそれ以降は加工曲線をたどっていきます。そして2011年6月期の決算では約4億4300万円と最盛期から10億円も低い売上となりました。


  このままで行くといつかは倒産することになり倒産の中でもすべてが事業閉鎖を目的とする「破産」というものになり、なんとか手立てを打たなければなりません。

 そこで、「経営再建策」を考えた結果、
「料理店の金城樓」を分割することにしました。一つは現在の形をそのまま継続させるための本道の会社、もう一つは「負債(借金)」を押し込めた会社「清算目的会社」ということにしました。

 そして、本道の会社(現在の料理店)は新会社を作ってそこに営業をさせ、現在の会社は負債(借金)をとりあえず置き去りにしてこの負債企業を消滅させる方向で動くことにしました。この会社を金城樓から「株式会社梅」という会社名に変更して会社の本拠地も石川県金沢市から東京都港区虎ノ門に移転しそこに登記もいたしました。

 となると、当初の会社は消滅目的(清算目的会社)となり、実際にある料理店は新会社ということになります。

 消滅会社には、その会社にお金を貸した債権者が多くいます。いつかはお金を返さなければなりません。
でも完全に返せる可能性は非常に少ないです。そこでこの会社は「破産」と同じようになりますが、できるだけ債権者と良好な関係で借金を返済したいと思いました。その任意整理では意見が対立したり決着もつきにくいため、裁判所を絡めた清算処理「特別清算」で行うことになりました。
 あとその「負債」をだれが負担するのか、親会社や投資ファンドもしくはスポンサーのような支援があれば、それらが負債を買取り、そうでなければ、債権者が一律貸したお金の何割か泣いて(諦めて)、シャンシャンする、そういった流れになるのだと思います。
「特別清算」はそのどれかが欠けていれば実現不可能になります。その場合は、民事再生手続きなのか破産なのかという選択肢にかぎられてしまいます。


 そのような経緯があったのかとの推察ですが、この会社は良質の資産である「料理店の営業」もありましたが、多額の借金が多くありました。この2つを別々の経営者にしてそれぞれ別の運営にすることにより、いち早く「不安のない」経営に戻ることを目的とした方法のひとつだと言えます。
 このようなやり方なら「民事再生法」という倒産処理と結果的にあまり変わらないように見えますが、民事再生法は、その会社がまるごと倒産会社として債務を減算してもらいかつ借金もできないという状態で再生を目指すという、「死んだイメージ」がつきまとってしますというのが悩みの部分かと思われます。

 しかし、債権者と債務者の両者のゆずりあいのような協力体制というものがあれば、むしろ「特別清算」という形で企業再建できれば、この上ない利便性が得られるということになります。

 今後の新会社が今までの栄光と実績を引き継ぎ経営支障なく健全に発展されるようお祈り申し上げます。









北陸の経済ニュース 【2月19日02時34分更新】
旧金城樓が特別清算 新会社が営業継続
 帝国データバンク金沢支店によると、金沢市の料理屋「金城樓(きんじょうろう)」を 運営していた梅(旧商号・金城樓、東京)は18日までに、東京地裁から特別清算開始決 定を受けた。金城樓の経営再建計画に沿った動きで、2010年に設立された新会社が料 理屋の営業を継続している。
 金城樓は1890(明治23)年に創業した。帝国データバンクによると、バブル崩壊 の影響で、1995年6月期に約14億円の売上高を計上して以降は業績の低迷が続き、 2011年6月期の売上高は約4億4300万円まで低下した。経営再建に向けて新会社 を設立して事業を継続、旧金城樓は梅に商号変更した上で13年に解散した。梅の負債は 13年6月期で約17億6751万円と見込まれるが、減少している可能性がある。

 金城樓などによると、中小企業再生ファンドの再生案件として、金融機関や高級レスト ラン運営会社などの協力を得ており、同社は「計画は順調で経営に全く問題はない」とし ている。


北陸の経済ニュース
金沢駅のスーパー存続 百番街が直営
高岡のメガソーラー稼働 スカイパワー
万華鏡の回廊空間 YKK APがイタリア出展
「ぶり街道祭り」来年春復活 富山、神岡商工会議所
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/K20140219304.htm
(2014/2/19/北國新聞)






倒産・動向記事

2014/02/18(火) 元・料亭経営
株式会社梅(旧:金城樓)
特別清算開始決定受ける
TDB企業コード:380144429
「石川」 (株)梅(旧:(株)金城樓)(資本金2700万円、金沢市橋場町2-23、登記面=東京都港区虎ノ門4-3-13、代表清算人土屋慎太郎氏)は、2月6日に東京地裁より特別清算開始決定を受けた。 

 当社は、1890年(明治23年)2月に創業、1958年(昭和33年)7月に法人改組した元・料亭経営業者で、地元では業歴、規模ともにトップクラスの業者で味の老舗としての知名度も有していた。62年4月には観光旅館の資格を得て料亭旅館を併営、72年1月には商号を(株)ホテル金城樓から(株)金城樓に変更した。84年7月に東京八重洲店を開設、91年1月には約13億円の投資と1年余りの休業を費やして本店を新築改装するなど、積極的な営業を展開した。その後、94年9月に金城樓銀座店を開設(2002年4月閉鎖)、近時のピークとなる95年6月期には年売上高約14億円を計上していた。 

 各種接待などが目立ったバブル期には予約が取れにくい状況が続いていたと評されていたが、バブル崩壊後の反動は大きく、95年6月期以降業績が低迷、本店新築改装費用は過度な投資として重荷になっていた。それでも知名度を活かして、本店での法人記念行事や観光スポットとしての利用のほか、結婚式場としての活用、ギフト商材として通信販売を行うなどで、業績の維持・回復に注力。また、2007年には東京八重洲店を閉店した一方で、手軽に高級料亭の味を味わえる店造りを標榜し大宮店と二子玉川店を出店、積極的な展開を続けたものの、計画に反して不採算となり経営を圧迫、2009年1月・2月に相次いで閉鎖することとなった。さらに2008年秋以降の急激な景気減速により2009年6月期の年売上高は約5億7200万円まで低下、閉鎖費用負担などから大幅な欠損を計上した。以降、その影響を払拭できず2011年6月期の年売上高は約4億4300万円まで低下したことから、再建計画として2010年5月に新会社を設立し、当社は2013年11月11日に商号を現商号に変更し、同月30日株主総会決議により当社は解散した。なお、新会社は(株)金城樓として営業を継続中。 

 負債は2013年6月期末時点で約17億6700万円だが、減少している可能性がある。
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/3884.html
(2014/2/18/帝国データバンク)







[東京] 料亭経営
(株)梅
特別清算開始決定負債総額約17億6700万円

公開日付:2014.02.18
〜明治23年創業の金沢の老舗料亭、新会社で営業継続中〜
 (株)梅(TSR企業コード:580046427、港区虎ノ門4−3−13、設立昭和33年7月、資本金2700万円、代表清算人:土屋慎太郎氏)は2月6日、東京地裁から特別清算開始決定を受けた。経営してきた料亭などは新会社のもとで営業中。
 負債総額は金融債務を中心に約17億6700万円(平成25年6月期決算時点)。
 明治23年、金沢市で創業した老舗の有名料亭。政財界の著名人などにも幅広く利用され、店舗網の拡大やケータリング部門(機内食の配給)の好調で最盛期の平成7年6月期の売上高は約13億8000万円をあげていた。しかし、その後は景気低迷で客足は減少に転じ、とりわけ高級料亭のイメージが強かったことで逆風が続いた。打開策として、比較的安価な価格設定メニューの拡大や婚礼部門への営業を強化し客層の拡大に努めてきた。また、首都圏への出店も図り、18年6月期には東京八重洲店、19年3月には大宮店、同年5月には二子玉川店をオープンした。
 しかし、首都圏でも苦戦を強いられ、19年10月に東京八重洲店、21年1月に二子玉川店、同年2月に大宮店、22年3月には金沢市片町の割烹も閉鎖するなど不採算店を順次閉鎖し、その後ケータリングも廃止。このため、23年6月期の売上は4億4382万円まで落ち込んだ。ただ、同期は22年秋からの人員削減などの経営改善が奏功し、約3000万円の黒字を計上した。
 24年6月期も景気後退が続く厳しい状況だったが、宴席部門の単価の見直しや高単価商品の充実、婚礼部門の営業活動に注力したことなどにより売上高は約5億7000万円をあげ減収傾向に歯止めをかけた。利益も経常利益で約2800万円の黒字としたが、過年度減価償却費など約15億円の特別損失を計上したことで最終赤字は約14億9000万円となった。
 こうした中、各方面からの支援を受け経営改善に乗り出し、25年11月1日に会社分割により営業を新会社へ移管。その後、当社は東京へ移転し特別清算手続きを進めていた。
http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20140218_01.html
(2014/2/18/東京商工リサーチ)




よくわかる事業再生
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特別清算について
特別清算とは、解散して清算過程にある株式会社に債務超過の疑いがある場合などに、適正な清算を行うため、裁判所の監督下で行われる清算手続です。
中小企業の事業再生において私的整理という場合には、私的整理後の会社の処理にこの手続がしばしば用いられています。

特別清算の手続
裁判所へ特別清算の申立がなされると、裁判所は特別清算開始原因があると認められれば、手続開始の決定を行います。
※特別清算開始原因:(1) 清算の遂行に著しい支障をきたすべき事情があること、(2) 債務超過の疑いがあること(会社法510条)

開始決定の後、株主総会で選任された清算人は、財産目録や貸借対照表の作成など財産状況の調査を行い、一方で、債権届出手続(公告・催告とそれに対する債権者の届出)により確定した債権者に対する弁済の方針を定めた協定案、または個別の和解案を作成します。

協定による場合は、協定案を裁判所に提出し、債権者集会において承認され裁判所がこれを認可すれば、その協定の認可決定が確定し法的効力を生じます。
※協定案の決議:債権者集会に出席した議決権者の過半数かつ議決権総額の3分の2以上の多数で承認されます。

特別清算の特徴
1. 簡易・迅速な手続であること
特別清算は、破産と比べて手続が厳格ではなく、簡易・迅速に清算手続を進めることができます。

2. 債務者企業が一定の主導権をもつこと
破産の場合は、財産の管理処分権限が破産管財人に移り債務者企業の経営者が関与する余地はほとんどありませんが、特別清算の場合は、株主総会で選任された清算人が財産の管理処分を行うことができるため、債務者企業の株主や経営者が一定の主導権を持って清算を進める手続といえます。

3. 否認権制度がないこと
破産の場合と異なり、特別清算には否認権制度はありません。したがって、特別清算に先立って私的整理を行ったのちに特別清算手続に移行しても、私的整理の結果が否認権行使の対象とされることがないため、特別清算は私的整理と組み合わされて利用されます。

4. 倒産のイメージが薄いこと
特別清算は、破産同様清算型の手続であるにもかかわらず、特別清算は会社を整理したイメージで受け止められ、「倒産」というイメージが少ないと言われています。したがって、上記2.3.の特徴と相まって、私的整理をしたのちに特別清算手続に移行する手続きは中小企業の私的整理手続の王道となっています。

5. 債権者が関与する余地があること
破産の場合は、財産の管理処分権限が破産管財人に移り債務者企業の債権者が関与する余地はほとんどありませんが、特別清算の場合は、協定案に対して債権者の総債権額の3分の2以上の同意等が必要であり、債権者が関与する余地があるといえます。
その結果、債権者の数が少なく、大口債権者の理解と協力が得られる場合、特別清算に適しているケースといえます。

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(2014/2/19/ よくわかる事業再生 より)






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posted by 管理人B at 06:40| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 倒産(一般ニュース) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
店が続くようで良かったです。

歴史は、地域のお宝ですね。
Posted by つくばランチ食べ歩き2 at 2014年02月19日 17:48
つくばランチ食べ歩き2 様

お店は負債で潰れてしまうのかと心配でしが、なんとか継続してくれて大変よかったです。
歴史を大切にする。これは本当に地域にとってはとても尊いことです。
ありがとうございました。
Posted by 管理人C at 2014年02月19日 22:05
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