2014年02月21日

エヌ・エス・アール(株)(宅地造成、不動産販売;東京都中央区)破産開始決定負債総額約1650億円、今年最大級の倒産〜敗因は身の丈以上の融資で派手に事業を展開

エヌ・エス・アールという会社が今年(2014年)1月31日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けました。負債総額は約1650億円となります。もともとの債権届出の元本としては約654億円ということだったのですが「損害金」がさらにのしかかり約1650億円に膨れ上がったということです。

 この会社は「不動産業」という業務にあたりますが、どういった「不動産業」かといいますと、大手金融機関系列の不動産会社(つまり大手銀行が関係しているもしくは銀行の子会社である不動産会社、信託銀行も不動産業を行うことができるのでそういった関係の会社ということになります。)が所有する土地に箱物といえる「建物」を建てて、それをお客に販売するというところを担っている不動産業です。

 不動産でも「土地」に関してはそのまま安くても「資産価値」というものがあるので、他の「箱物」を取り扱う不動産会社に任せれば、土地にも付加価値がついてより高い価格で売れるもしくは賃貸で収益を売ることができます。
 しかし、土地の取得より向こうの工程を担う不動産会社は主に「箱物」について全て責任を持って販売まで行わなければならず、お金が足りない時は金融機関から借りて何年か先の販売した時に返済するというような形になります。そのため、この会社が目論んだとおりの時期に販売がしっかりできれば、利益が大きいですが、売れ残りなどが多くなってしまえば、それだけで融資してもらったお金の「利子」ものしかかるため、目論見が外れれば、大規模な会社であっても即倒産という方向に動いていきます。

 特にこの会社は資本金が1億円とあまり多くないような自己資本とも見られ、その上「バブル期」でのいけいけどんどんのような当社の時期に乗っかり、本来必要とされる何倍もの融資をしたともみられ結局は目論見が外れたから大きなやけどということでこの何千億と言われる倒産負債額が1位と言われるようなところまでの規模の倒産となるというわけです。

 つまり「身の丈に合わない融資で派手に事業を展開してしまった」という事が敗因の結論になります。



 
エヌ・エス・アール(株)(宅地造成、不動産販売;東京都中央区)破産開始決定負債総額約1650億円、今年最大級の倒産〜敗因は身の丈以上の融資で派手に事業を展開




[東京] 土地売買・不動産賃貸ほか
エヌ・エス・アール(株)
破産開始決定負債総額約1650億円

公開日付:2014.02.05
〜負債総額は2013年度で2番目の規模〜
 エヌ・エス・アール(株)(TSR企業コード:140187804、中央区八重洲1−4−18、設立昭和52年5月、資本金1億円、代表清算人:山本忠行氏)は1月31日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には大塚正和弁護士(りべる総合法律事務所、中央区日本橋兜町7−16、電話03−3249−1081)が選任された。
 負債総額は届出債権の元本のみで約654億円、損害金を含めると約1650億円。負債規模は今年度ではカブトデコム(株)(札幌市、負債額5061億円)に次ぐ2番目。
 宮城県仙台市で設立、昭和63年6月山万アーバンフロント(株)に変更し、仙台市宮城町(現青葉区錦ケ丘)地区の大規模開発を開始した。平成1年9月に宅地400区画と建物9棟を分譲し、平成1年11月期に売上高127億9836万円を計上していた。
 バブル崩壊後も継続して宅地開発などを行い、10年3月期の売上高は約104億円を計上、12年8月にアーバンフロント(株)に商号変更し、同年11月に子会社4社を合併するとともに東京都中央区に本店を移転した。
 しかし、その後は不動産不況と金融引き締めの影響を受けて11年3月期の売上高が32億4749万円にダウン。21億4267万円の赤字に陥り約81億円の債務超過に転落。以後、14年1月に住宅販売部門を分社し、土地売買を中心に「錦ケ丘ニュータウン」内の施設賃貸管理および施設内でのスーパー経営にシフトしたことで、14年3月期の売上高が44億2000万円に減少。所有する土地の評価損他で100億円余の赤字が続き債務超過が拡大していた。そうしたなか15年3月、取引金融機関が持つ債権を整理回収機構(RCC)に譲渡。以降、RCCの再生スキームに沿って事業運営が行われてきたが、債務整理が一段落したことで事業清算を行うべく、22年12月10日の株主総会の決議により解散していた。なおこの間、19年6月現商号に変更、25年10月に現在地に本店を移転していた。
 債権届け出期間は2月28日まで、第1回債権者集会は4月25日午後2時より。
記事の取扱いについて
http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20140205_01.html
(2014/2/5/東京商工リサーチ)




倒産・動向記事

2014/02/05(水) 宅地造成販売、建売住宅販売
負債1000億円を超える今年初の大型倒産
エヌ・エス・アール株式会社
破産手続き開始決定受ける
負債1650億円
TDB企業コード:100198775
「東京」 エヌ・エス・アール(株)(資本金1億円、東京都中央区八重洲1-4-18、代表清算人山本忠行氏)は、1月31日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。 

 破産管財人は、大塚正和弁護士(東京都中央区日本橋兜町7-16、電話03-3249-1081)。債権届け出期間は2月28日までで、財産状況報告集会期日は4月25日午後2時。 

 当社は、1977年(昭和52年)5月に設立。大手金融機関系列の不動産会社などが仙台市青葉区に所有する土地の大型開発を行うことを目的として設立された経緯がある。同開発地で「錦ケ丘」の開発分譲と住宅の建売、マンション「錦ケ丘セントラルハイツ」の建設販売を手がけ、91年1月に商号を山万アーバンフロント(株)に変更した(2000年8月にはアーバンフロント(株)に商号変更)。94年にはショッピングモール「錦ケ丘センタープラザ」をオープンするなどして96年3月期には年売上高約90億4500万円を計上していた。 

 しかし、大規模開発に伴う借入負担は多額にのぼり、バブル崩壊後は計画通りの販売が困難となるなか資金負担が重荷となっていたうえ、2003年3月には借入金が整理回収機構へ譲渡されていた。近年においても景気の低迷から宅地販売など業績は低調に推移、2004年3月期の年売上高は約16億9000万円にとどまる一方、不動産売却損の計上から大幅な欠損計上を余儀なくされ、債務超過に陥っていた。こうしたなか、2007年6月に現商号へ変更し、2010年12月には株主総会の決議により解散していた。 

 負債は約1650億円。
http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/3879.html
(2014/2/5/帝国データバンク)


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posted by 管理人B at 17:41| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 倒産(その他不動産会社) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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