●8月22日より私的債務整理の申請の受付が始まりました。
本来なら「裁判所」を通す「法的整理」をしなければなら意味分の人も、被災者としての私的「債務整理」を行うことにより、かなりの軽い負担で、債務整理ができるメリットが非常に大きいです。
さて、この制度の利用により、被災者においては、債務整理のついでに、消費者金融などと関わりがあった人もしくは関わりが現在もある人において「過払い金」があることを気付かせ、過払い金の請求がよりましてくるのではないかと、大手の消費者金融側も危惧しているとのことです。
これだけ騒がれているのに「まだいるのか?」と思うのですが、騒いでいることがわかるのは、ネットなどでの世界が大きいことであって、やはりインターネットなどに関係ない人にとっては、まだ「過払い金」の請求というものが気づかないということなのかもしれません。
そのようなことなので、「武富士の責任を追及する全国会議」や過払い金関連の弁護士などに駆け込みやすいのは、やはりネットが使える利用者ということになります。
▼過払い金請求はブームは再燃?被災者向け私的整理開始による、被災者からの「寝た子を起こされた」式の債務免除に加えた過払い金請求。
被災者向け私的整理制度開始
貸金業が恐れる過払い再点火
私的整理制度が過払い金返還の点火薬になれば賃金業者の経営はさらに圧迫される
Photo:JIJI
「昨年の武富士破綻のときのようにならなければいいが」──。
8月22日より「個人版私的整理ガイドライン」に基づく債務整理の申請受付が始まった。これは東日本大震災が原因で債務を返済できなくなった被災者の債務整理を進め、生活再建を支援するためのもの。1週間で600件超の相談が被災者から寄せられた。
ところが、冒頭のように大手消費者金融幹部は不安を募らせている。なぜなら、ガイドラインに沿って債務整理の手続きを進める過程で、過払い金返還請求が掘り起こされるかもしれないからだ。申請者はガイドライン運営委員会に依頼された弁護士や司法書士のサポートを受けて自身の財産目録を作成する。申請者が消費者金融に債務残高がある場合はもちろん、過去に完済した取引にも過払い金請求権があることに気づくかもしれないのだ。
加えて、間が悪いことに中堅消費者金融のSFコーポレーション(旧三和ファイナンス)が26日に破産した。業界最大手の武富士が2010年9月に会社更生法の適用を申請した際、同社は顧客に過払い金があることを文書で通知。それをきっかけに過払い金の請求に火がつき、武富士だけでなく他の消費者金融にもいっせいに問い合わせが入った。大手の過払い金請求件数は、最大で前年同月比1.5倍まで激増した経緯がある。
11年4月頃にようやく請求件数が低下し始め、各社の請求件数は7月に前年同月比で約20%減となりつつあるが、今回の制度運用などが点火薬となり、再び“寝た子を起こす”ことになりはしないかと気をもんでいるのだ。
上限金利の引き下げと貸付金額の総量規制導入を柱とする改正貸金業法の完全施行で事業規模が縮小し、さらに毎月100億円近い過払い金の返還が続き、業界の収益構造は悪化の一途をたどっている。各社は新たなキャッシュアウトは極力抑えたいと願うが、まだ“身から出たさび”に苦しめられそうだ。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 片田江康男)
http://diamond.jp/articles/-/13881(2011/9/6週刊ダイヤモンド)