2014年02月27日

 「みなし労働」適用認めず 最高裁、添乗員が勝訴 非提訴側の阪急トラベルサポート(大阪市)30万円の支払い確定

20140224阪急トラベルサポート残業代事件最高裁判決.jpg

「みなし労働」とは、使用者(企業)が労働者の労働時間において、出勤・退勤の実際の時間に関わらず、予め「一定」の時間ということを決めて、給与の支払いもその単価と「一定」時間を掛け合わせた賃金を支払う労働体系を指しています。

 このような「みなし労働」を採用する企業は、事業所外における勤務が多く、時間体系も非常に不規則なことが多い場合に実施することが目的であって、極力従業員の時間が把握できるような状況(時間管理)ができれば、認めることができず、その制度を実施する場合は「労働基準監督署」の許可をうけなければなりません。


 「みなし労働」の背景には、「お客様」の都合で対応をしなければならないことが多く、時間もまちまちで日によって、本来規定している労働時間の勤務の必要性がないときもあれば、膨大に時間が必要な事が生じる日もあるということで、本来の労働体系(決まった勤務・勤務日に対する支払い)を行っていては成り立たない事業があるからです。

 例えば不動産業の中でも「土地活用」をメインとする企業(例、大東建託や東建コーポレーション)においては、顧客のターゲットが地主ということで、その地主さんが不動産所有での収入の他に普通の会社に勤務していたりすれば、顔を合わせるのも時間外といえる土日祝日や勤務時間終了外であることが多いので、不動産会社の社員においては、本来の規定勤務時間外に頻繁に出動しなければならないことが多いです。
 その反面平日の昼間とかそういった時間が空いている時間帯も多くなり、空いている時間まで給料を払ったりするのも難しい話になったりするので、こういった労働体系が施行されているものとも言われています。
 今回の事件である「阪急トラベルサポート」においては、不規則労働が多いことではあっても、労働時間を管理出来る状況にあるとされているため、このような職種ケースにおいては「みなし労働」は認められないという東京高裁の判決が最高裁でも支持され決着がついたということです。

 この不況の中、企業経営は大変なものはあるかと思いますが、労働法が整備された背景をみれば、企業は強者であり労働者は弱者であるという歴史的な事件が多発しており、そういった数数の反省の点から民法だけでは「労働環境」を守ることはできないということで細かい規則である「労働法」が確率されたとされています。

 平たく言うと、企業と労働者との信頼関係が崩壊している現れであり、従業員を大切にしないとこういう話が多発すると見ています。




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2013年12月13日

ヤマダ電機(群馬県高崎市)に賠償請求(前橋地裁高崎支部) 長時間労働で自殺と遺族〜訴訟の管轄は被告本社所在地と関係なく原告が楽なところに決めるのが吉

 「ヤマダ電機」は家電量販店の会社で、現在国内で最大手と言われています。かつて「家電量販店」という業界のメッカは東京の秋葉原が長きに渡り担っていました。

 しかし、1995年のウインドウズ95日本版の発売により、電気の街からヲタクの街に徐々に変わり、今では、「家電」に関しては、「秋葉原」というよりは、東京の「池袋」の方にシフトしていきました。そして前年の2012年ご病気で亡くなられた流通ジャーナリストで特に家電の「購入」に詳しい金子哲雄さんは、家電を求めるのに「池袋価格」(つまり、池袋で買うのが最も安く買える)という言葉を用いるようになり、今ではそれが浸透してきています。

 この「池袋」を家電のメッカとしてキッカケを作ったのは、同業者の「ビックカメラ」(池袋がこの会社の本拠地であり本店)です。1970年代から群馬県高崎市で創業して、池袋に進出して約20年以上営業してきています。その20年後の同じ群馬の前橋市創業のヤマダ電機がロードサイドでの出店がメインだった営業戦略から池袋のしかもビックカメラ本店のすぐそばに、出店いたしました。

 そこから、この家電戦争がエキサイトすることにより、「池袋」が家電購入の代名詞になると頃まできてしまいました。


 家電が安く買えるというのも、このような競争が激化しているおかげで、当然資本主義の原理が働き「低価格競争」というものが実現しています。

 でも「低価格」を引き出している原資は何かといえば、「低賃金の労働力」に他なりません。
ローコストの労働力は、ヤマダの専売特許のようなものです。
 今こういった家電量販店にかぎらず、大手スーパーなどにおいても、従業員を見渡せば、そこの「正社員」は少なく、多くが「契約社員」と言われるフルタイム・パートタイムの社員であったり、派遣社員やアルバイトでの就業も非常に多く占めています。「正社員」は10人に1人という位の割合かと思います。


 さらにヤマダが考えた手法は、仕入れ業者(panasonicやシャープなどのメーカー)の販売員を利用して、自社製品とは全く関係のない商品の販売もやらせていたということです。その行為が以前労働局から物言いがついた事は、有名なことです。

 当然そういった事があるのですから、そこに所属する「正社員」は非常に厳しい労働環境となっていることは推察されるかと思います。

 今回の損害賠償請求訴訟は、

 ヤマダ電機に勤めていた正社員(就業期限を設けていない従業員、つまり定年迄働ける従業員)が2007年にうつ病を患って自殺したということです。その原因はヤマダ電機での長時間労働によることだとして、本社のある群馬県の前橋地裁高崎支部に提訴したということです。先駆けて就労していた場所を管轄する労働基準監督署からも「労災」の認定がされているため、遺族は当然怒りもあることながら、原因はヤマダ電機にあるということで、前橋地裁高崎支部に訴えたということです。


 106時間の時間外労働時間は、
  106時間(1ヶ月)÷20日(単純に週5日労働とすると)=5.3時間
 1日の法定労働時間は8時間ですから、8+5.3=13.5時間

サービス業なので、普通の事務職の会社勤務体系とは違いますが
 
9時+13.5時間=22.5時 昼に1時間休憩をいれると 23.5⇒つまり朝9時から 午後11時半迄毎日勤務しているということになります。
 非常にキツいです。体が不調になっても当然のことです。


 この亡くなられた社員の方やご遺族は、本来は、どこにお住まいだったのかはわかりませんが報道では「柏崎市の男性」ともなっているので、新潟を拠点として生活していたのかとも思われますが、こういった時に重要になることが、提訴する裁判所の管轄です。

 よくサービスの「契約」をする時に「合意管轄裁判所を東京地方裁判所を第一審とする」などということが記載されており、大抵はその相手企業の「本社」であることが多いです。
 そして、その後において不具合が発生したりなどで紛争⇒裁判に発展するときに、裁判を起こすにはその契約書で合意したところでなくてはならないのかという話もよく出てくるのですが、決してそうではなく、何らかの関わりがあれば、原告の最も都合のよいところで提訴するのがいいかと思います。

 ですから、仮にご遺族等が新潟の柏崎に住んでいれば、ヤマダ電機の柏崎市の店舗がある地方裁判所に提訴すればより低コストで提訴できるものと思います。

 当ブログで取り上げた「民事裁判事件」に関しては、
武富士の過払い金返金訴訟においては、被告(創業者一族)の本拠地は西新宿なので、東京地方裁判所へ提訴をするのが、一応の筋なのですが、実際は、借主が契約した店舗のある裁判所に各々提訴しています。
被告からは、「頼むから、訴訟は東京で一本かしてくれ」と管轄の無効などを主張しているようですが、裁判は個々に提訴された裁判所で進行しています。

 また安愚楽牧場の損害賠償請求訴訟では、旧経営陣に対しての訴訟がごく一部の被害者(出資者)により提訴されましたが、その提訴の場所が安愚楽牧場の拠点(本社のある栃木県那須塩原市や営業所のある東京都中央区)とは関係のない大阪地方裁判所にて提訴されています。

 そういった例から見ても、「合意管轄裁判所」はあっても、原告が提訴するのに最も都合のよいところを選ぶのがその後の手間暇や金銭面でも吉であることがわかるかと思います。


 今景気の低迷で、倒産する会社も少なくありませんが、その回避策として、「低賃金長時間労働」や「サービス残業」なんていうものが堂々と行っている実態があり、「ブラック企業」という言葉が流行語大賞になるような時代にまで来ています。




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2013年11月17日

年賀はがき「自爆営業」 局員、ノルマ1万枚さばけず〜最終的にはなんらかの労働訴訟リスクも負うことに。

 もうそろそろ年賀状が関係する季節になります。
年賀状は普段親交・利害関係のある人へは、もちろん、疎遠となっているところへもこの時ばかりは「つながり」を大切にする手段としては、格好の手段です。
 今でもその役割は変わりません。
しかし、近年、年賀状でなくても年頭の挨拶をする手段の選択肢は多くなりました。その代表選手は「電子メール」「携帯電話メール」などの「電子媒体」です。
気軽で便利で瞬時に意思を伝える手段としては、最適な媒体です。

 そのため、かつては、郵便やFAXで内容をつたえていたものが、電子メールに替わっています。
その結果どういうことが起こるかというと、それまで主要な媒体として君臨していた「紙媒体」の使用が大きく減少しているということです。
 そうなると当然それに関連している郵便局や印刷会社は売りげや会社規模を大きく縮小しなければならなくなってきています。

 特に郵便関連は、主力の はがき・封書が落ち込むため、規模を縮小するかなんとか多く利用してもらうようにしむけなければなりません。

 その一つに今回の「年賀はがき」の従業員販売があります。
年賀はがきの販売にはノルマがあるようで、表向き上ノルマが達成できなければ上司から「叱責」をされるということです。しかし、当然だれでも「叱責」されるのは嫌だから、ノルマに達成できなかった分は自分で買い取ったりする人もいるということです。

 さらに、その分を金券ショップへ持ち込んで換金する人もいます。1枚40円で買い取るところもおおいので、1枚あたりの負担額は10円となります。

 販売ノルマを課せられているものは、はがきだけでななく、米だとかお歳暮のようなものまで職員おこなわせている状況です。

 郵便は2000年半ばに自民党小泉政権が目標にしていたことで、「郵政民営化・分割」という事を実施いたしました。しかし、「分割」によって、余計な人件費がかかったようなので、日本郵政という形で再び統一して現在に至っています。紙媒体の減少によって売り上げが大幅に落ち込んできました。
 親方日の丸というように国が全て株式をもっています。でもこうした現状があきらかになれば、今後労働法などの訴訟リスクが伴うことも懸念されるかと思います。

 





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