「グリー株式会社」はIT企業でSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を提供している会社です。その中でも携帯電話やスマートフォンを軸にした「ゲーム」に強いのが特徴です。
2004年に現在の代表でもある創業者田中良和氏が趣味で立ち上げたものが拡大し会社組織になったといわれています。その後2008年12月に東証マザーズに上場、2010年6月に東証一部に指定替えになり現在に至っています。その2010年の時がグリーにとって最高の時だと言われています。
CMもバンバン流し、様々なスポンサーにもなり知名度はグンとアップいたしました。
他のSNSでもfacebookやmixi・DeNA などがありますが、この中でもグリーは創業からの成長が非常に早く、mixiが1997年頃の創業で2006年の東証マザーズの上場であるのに対して、グリーは前述の通り創業から6年程度で東証一部上場の企業へと成長しています。
ところが、2013年6月期の決算では「減収減益」という大きい赤字をだしたこともあり、今後の経営に不安を感じたためか「希望退職」の募集を開始した模様です。
かつて、本来「リストラ」というものは、通常気兼ねなく使っていた設備や消耗品を売却や節約したり、新規事業の進出などを抑制し、それでも駄目な場合はじめて「人員整理」という方法に着手するのが普通ですし、それが「日本の企業」での慣例でした。
今回話題に挙げた「グリー」は「希望退職」という「人員整理」のひとつに着手をいたしました。
これはどういうことかと言えば、一言でいうと「ヤバイ」そのものです。どれだけ「ヤバイ」のかというと、前述の通り、「ヤバそう」になった時に、消耗品や設備を抑制するのですから、「人員」に手をつけるのは、本当の最後の最後ということになります。その慣例から、「人員」にてをつける企業は「経営が本当に危なく借金を返せない可能性」という事も逆にとられます。
グリーの人員整理がリストラのどのくらいの段階の位置を占めているのかほんとうにはわかりませんが、この「希望退職」でそれなりの人数(目標が200名ということですが)が達しない場合は、今度は、退職勧奨そして指名解雇ということになります。
現在「労働法」が過去の歴史的な紛争から、労働者を守る方向に向かっており、正規労働者(就業期限を定められていない従業員〜俗に言う「正社員」)「解雇」をするにもそれ相当の理由が必要となってきています。
しかし、近頃企業を取り巻く環境は著しく変化し、「終身雇用」という体制はかねてからある古い企業でもその揺らぎが生じるくらいですので、たった10年弱の歴史の「グリー」にとって、「労働者」を軽く扱っている部分もあるのかもしれません。
本来「大企業」というものは、重工業・製造業や電力関係・運輸・不動産・総合商社が占めていましたが、この10年・20年においては、IT企業の存在が大きくなってきました。
IT企業が経済に果たす大きな役割は、省力化と人員削減です。
今まで10人かかって10日間かかっていたものが、このIT化において1人で1時間で終わってしまうという事が少なくありません。企業にとっては大変な経済効果です。
しかしそんなことが色々なところで起こってしまえば、「雇用」の問題が大きく浮上する「副作用」もあるのですが、とにかくIT企業はそれだけのパワーがあるため「急成長」企業が登場するのも当たり前の状況となってきます。
しかし「急成長」がある企業は「急衰退」というのも兼ね備えています。「いけいけどんどん」で開発をするもそのための費用も銀行などから調達していきます。しかし、その急成長の途中で何かの歯車が欠けたり止まったりした時、現状維持どころかその反動は他の企業より著しいです。
それが現在の「グリー」なのかもしれません。
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