2013年03月15日

過労死で東急ハンズに7800万円賠償命令 神戸地裁

 最近の労働環境は、不況の影響ながらも「長時間労働」という人も少なくありません。それでは、「長時間労働」であれば、それだけ賃金も多くもらっているのか。というと決してそうではありません。

 例えば、オーソドックスな事例は次の通りです。
 @「20時間までの残業代は出すけど、それ以上の残業代は出せないから20時間以内に収めるように効率的にやりなさい」と限界時間数を提示して、それ以上の残業時間となる場合は実質的に「サービス残業」となる状況。
 A「営業手当」「業務手当」を月30,000円固定支給して、それを「固定残業代」というような賃金体系にしているんだけど、実質労働時間が50時間〜60時間にもなり、30000円の固定残業代は600円/時(30000円÷50時間)というような法令でしめされているような1時間当たりの最低労働賃金を下回るようなこと。
 B店長の役職についているのだけれども、自身の雇用内容は「契約社員」。雇用契約は6カ月毎の更新。賃金は日給月給制だけど、正社員より賃金が安い体系となっており、しかも残業相当のものは「店長手当」月20,000円で一律残業の分もこれですべてカバーさせている。「契約社員」だけに基本給も月170,000円と正社員に比べて低賃金構造。

 以上のような例はほんの一例で、枚挙に暇がありません。

 さらに、従業員を少なくすることによって少なくなる労働力を、現存の従業員にその分の負担(労働時間を長くする)させることによって、会社の負担を軽くするということが、先の例の向こうにある共通する目的に行きついています。
 その方が、会社のもつ雇用リスクを少なくして、年金や労災等の社会保険の負担も軽減されることから、こういった労働環境が必然的につくられてきてしまいます。


 さて、今回の「東急ハンズ」での過労死は、その典型的な例になります。
実際本記事にあるような時間外労働80時間(ざっくり月20日の労働とすると1日当たり4時間の残業)と死亡との因果関係が証明できるかというと実質「難しい」かと思いますし、違う要因が絡んでいるのかもしれません。
 しかし、月45時間(一日平均2時間15分の残業時間)を超えるような「時間外労働」は「健康を害する恐れあり」と定義づけされており、その時間をこえるような労働時間が続けば、仮にその因果関係を証明することができないとしても、「可能性」だけで、「過労死」を認定できるという、一歩進んだ判決となるのかと言えます。

  現在の法令で決められていることは、次の通りです。
 @雇用保険(失業給付)において、離職(自己都合も会社都合も含めて退職ということ)の3か月前から45時間以上の時間外労働が続いた場合は、「会社都合の退職」とする。
 A月の時間外労働(法定残業時間)の合計が60時間を超える場合は、その超える時間について1.5倍の賃金を支給すること。
 
 こういったことから、ある残業時間を超えた状態での心身の損傷や交通事故が起こった場合は、その長時間労働によるものと推定するような判断も今後は多く下されるでしょう。

 
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2012年12月15日

NTT 65歳雇用対応で新賃金制度へ〜よく考えてみると「体のいい」リストラ策?

NTT(日本電信電話株式会社)グループがこの度65歳までの雇用延長の義務付けに対する対抗策として、40代〜50代迄の賃金上昇率(賃金カーブ)の勾配(右肩上がり)を緩やかにして、その分を本来60歳定年の分を65歳迄雇用できるようにしていこうという合意を「労使」との間で決めたということです。

 一見65歳迄の5年間も雇用が延びるのだから、まだまだ働きたい人にとってはとてもいい話だと思うのですが、文章も含めて意味合いを見てみると、生涯賃金がかわらず、働く時間や期間が延びるだけ(時間が長くなる)という話です。
 なぜこんな「不合理」といえるものに「労使」の「労働者側」が合意したのかわかりません。


 例えば、現在30歳の4年生大学卒の総合職のNTTの正規雇用社員が22歳で新卒で入社したとします。
現在の制度では60歳定年なので、ザックリみると生涯賃金は約4億円と考えられます。

 それが新制度では(希望により)65歳定年なので、生涯賃金は約4億円になります。

  つまり、5年間働く期間は長くなるけど、生涯賃金は同じく約4億円ということになります。

 だから新制度で5年間長く働いても、旧制度で60歳迄働いて、その後短時間のアルバイトに励む方が結果的にもらいがいいということになります。

 この記事からだとそのようにしか読めないのですが、そんなバカな話に労働者側が合意するはずがありません。
ですから、この記事の詳細があるとすると、新制度の実際の生涯賃金は4億3000万とかそういった金額となり、労働者側がその方が有利だといえるような妥協点で妥協しているはずだと思います。
 また企業は安定しているという大企業であってもちょっとした収益の誤差で一気に債務超過の倒産(破産)へと転落するリスクを抱えています。「人件費」はその大きな支出のNO1となっています。


 恐らくここの重要ポイントは40代50代と言える最も多く給与を支払わなければならない従業員に対する「賃金カーブ」の勾配を大きく緩めていくことで、会社の経費を抑えることが目的なのではないのかと見ています。

 ただこのことでとばっちりを最も大きく受けるのは、今後学校を新卒などで入ってくる新入社員です。
NTTに入れば入社時は月給20万円賞与4カ月で年収320万円で、30歳では月給32万円賞与4カ月の年収512万円 40歳で月給48万円賞与4カ月で年収768万円だったものが

                           
 新制度では、30歳では月給26万円将補4カ月の年収416万円 40歳で月給29万円賞与4カ月で年収464万円


  という話が充分予想され、今の20代の学生さんにとっては夢が無くなる話です。



 NTTは日本を代表する企業なのですが、中小企業の賃金現状はNTTの賃金新制度の予測よりもらいが少ないところもしばしばです。


 


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2012年06月11日

ルネサスエレクトロニクス、社員の賃金7.5%減額などで300億円超削減〜リーク情報はまちまちなのか

以前報道によるとルネサスエレクトロニクスは、1/3の社員をリストラ削減するという話も出ていましたが、ここでは、
社員の賃金を7.5%のカット(一時的な賃金の削減)ということになっています。
 これは、銀行からの融資に影響するので、こういった提案で融資を引き出す(融資の継続)の考えを示しているものとおもわれますが、本来のリストラ(人員の削減)はこういった、最初は従業員の賃金削減やボーナスの見送りなどがあって、最終的に人員削減(指名解雇)というものがおこなわれるのが筋です。当然その前に「希望退職」がなされるべきなのですが、リークするような情報が通常の順番ではなく、まちまちのような気がします。



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