神奈川県鎌倉市を拠点に有料老人ホームやその他訪問介護を運営する「エルダーホームケア」(
神奈川県鎌倉市笛田4-1-36)がこの度、東京地裁に破産を申請(自己破産)したとのことです。負債総額は約6億5000万円です。
破産ということなのでその運営者(運営会社)自体は閉鎖して破産管財人の下で清算となります。一方現行の老人ホームは福岡県福岡市の同業者である創生事業団がスポンサーとして事業の譲り受けの意思表示をしているもようなので、事業譲渡が決まればそのまま運営を継続される可能性は充分にありえます。
ところで今回の倒産(破産)は「有料老人ホーム」の運営ということなのですが、よく言われている「特別養護老人ホーム」とは運営の形態や目的が異なります。
「特別養護老人ホーム」となれば、介護保険法に基づくもので、入居者においては、単に「高齢者」だけでは入居できず、介護保険法に基づく要介護認定(要介護1〜要介護5;数字が高くなるほど介護の必要度・困難度が高くなる)をされた人を対象にしたものとなっています。その財源は介護保険法に基づき実際にかかった費用の9割は介護保険より給付で残りの1割は自己負担ということになっています。
一方の「有料老人ホーム」というのは、高齢者向けの生活サポートなどの機能を併せ持った住宅で、それぞれ老人ホームの運営事業者の決まりなどにもよりますが、お金さえ出せる「高齢者」であれば誰でも入居できるような仕組みであり、民間の業者運営が大勢を占めています。ですから「介護」とは直接は関係ないということになります。しかし、「特別養護老人ホーム」の入居費用が低価格で常時入居となる場合もショートステイ(1日や2日だけの利用)の単なる倍数分の費用を支払うだけなので、応募者が非常に高く「待ち」の状態が長くづづいている状況です。そういった「待機者」も溢れているため、「有料老人ホーム」においても介護サービスを付与している事業者も多いのが現状です。「介護」の需要が多いから、「有料老人ホーム」においてはオプションをいろいろ付けてサービスを提供しているため入居者の負担額は非常に大きくなっています。
今回破産した会社は有料老人ホームをも運営する「介護事業者」です。
よく「介護」業界は、きつい割には給与などの賃金が安いということが定説になっています。現在の求人状況も「介護」の人気がとても少ないのが現状です。
それは、「介護」運営の財源の基本が「介護保険」によるものが多く、報酬等も介護段階や貸与用具などで細かく決まっており、運営としては決して楽なものではありません。したがって、ちょっとサービス(ご奉仕)を多くしたり、しようとなれば、人件費の支出に直ちに響き、結局のところ「節約、節約」の運営を強いられる状況が、今の介護業界の現状です。
けれども、「有料老人ホーム」ということであれば、介護とは関係のないオプションをつけても需要はある程度あるため、企業としての運営はそこに利潤を発生させる仕組みをつくることが可能となります。
今回破産した要因は定かではありませんが、「老人ホーム」はその名の通り不動産の取得や建築・運営管理という「不動産会社」同様のスキルが求められるため、投資的(ギャンブル的)な要素が経営の中に必然的に生じてしまった可能性も考えられます。いうなれば住宅取得のためにかかったローンなどが売上減少のためその後において首を絞める形になったことも大きな要因なのかと推察されます。
事業所が早く正常な運営に戻る事をお祈りいたします。
有料老人ホーム・訪問介護運営会社「エルダーホームケア」(神奈川県鎌倉市)が東京地裁に破産申請- 負債総額は約6億5000万円〜敗因は不動産関係からなのか。
ニュース元・資料
posted by 管理人B at 17:20| 東京 ☀|
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