●ゼロゼロ物件の件になります。以前からリプラスの経営破綻と同時に持ち上がってきた、家賃保証会社による「追い出し行為」についてスマイルサービスの利用者が告訴をしたとのことです。
実際「告訴」ということだけなので、犯罪と思慮をすれば誰でも可能です。しかし、冷静に状況からして、この件について直ちに「犯罪」とすることは恐らく難しいと思われます。なぜなら、
お互い書面によって合意されているからです。実際には利用者は書面が細かい字だったり、一応(不親切にも)説明はされていて、署名捺印までしているということらしいので、犯罪として立件することは難しいです。
これが仮に「犯罪」として成立すれば、現在進行中の損害賠償請求訴訟(民事裁判)は「刑事事件の証拠の取り付け」ということができ、原告が有利に動くことでしょう。
別のメディアで評論家はこれは「鍵についての交換」ということなので「借地借家法」の対象外と管理会社(スマイルサービス)が解釈しておこなっているのではないかとの見方もあります。
(以下参照)
家賃滞納でカギ交換、荷物処分 ゼロゼロ物件 告訴へ
2009年3月8日 朝刊
男性の代理人弁護士によると、男性は「スマイルサービス」(新宿区)の賃貸物件に入居していた昨年一−六月、家賃の振り込みが一週間程度遅れ、同社従業員に自宅玄関のカギを無断で三回交換され、六月には室内に無断で入られて荷物を撤去、処分された。男性は当時の同社代表と氏名不詳の従業員を告訴する方針。
弁護士は「同社が組織的にカギ交換や荷物撤去をした疑いがある。荷物の撤去と処分が器物損壊に当たる疑いもある」としている。
同社をめぐっては、家賃滞納を理由にした違約金請求やカギの無断交換などのトラブルが相次ぎ、被害対策弁護団(団長・宇都宮健児弁護士)が結成された。昨年十月と十二月、計九人の居住者が同社を相手取り、計約三千四百万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴。十二月提訴分の初公判が九日にある。
スマイルサービスは「取材は一切お断り」としている。
国土交通省の調査で、家賃回収をめぐる追い出し行為などの相談は、二〇〇五年四月から昨年十二月の間に全国で百九十件寄せられた。
<ゼロゼロ物件> 敷金礼金がゼロの賃貸物件。非正規労働者や外国人が多く入居している。賃貸契約ではなく部屋のカギの利用契約という形をとり、家賃振り込みが遅れると居住者への違約金請求やカギの無断交換、荷物撤去を行う業者があり問題化した。入居時に連帯保証人を立てられない人が契約する家賃債務保証会社が、家賃滞納者を追い出す行為も問題化。国土交通省は保証会社が全国に約100社あるとみているが実数は不明。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009030802000077.html
(2009/3/8/東京新聞)