2008年12月26日

不動産業界の「激変ぶり」を象徴。 アーバンコーポがついに“清算”へ(ダイヤモンドオンライン/2008/12/26)その2

2)と3)は、元手の全く要らない完全なフィービジネスであり、安定的な収益源であった。実際に、不動産流動化事業の売上総利益757億円のうち、2)のプロパティマネジメントでは18億円、3)のアセットマネジメントでは45億円と、一定の割合を占めており、この収益が将来とも確保されるのであれば相当な事業価値になると考えられていた。  しかし、破たんによる信用失墜で、その物件のほとんどが引き揚げられてしまったと思われる。
 また、1)については、不動産バブル崩壊で大きな含み損を抱える状況となっていることに加え、東京都港区や中央区等の都心や大阪市の中心部に所有していた優良物件の多くは担保に入ってしまっており、手元に残ったのは“開発途上”のものばかりだったと考えられる。不動産バブルが崩壊してしまった現在の状況下においては、継続開発するリスクは高い。
 極東証券グループに事業を売却できたものの、(事業売却代金とされる100億円のうち、いくらが不動産流動化事業相当分かはわからないが)いずれにしても開発リスクが高いことから、その譲渡金額は非常に低くなってしまったと思われる。
 じつはこの不動産流動化事業の売却において、当初、大和ハウス工業グループが積極的であったと伝えられているが、途中で断念したということだ。資産価格の査定など条件面での折り合いがつかなかったといわれているが、もしかすると前述した通り、手を上げてみたもののフタを開けてみれば魅力的な物件が残っていなかった、からかもしれない。
 主力であった不動産流動化事業がこのありさまであり、マンション分譲事業においては、事業売却はかなり困難だったと思われる。事実、事業売却できたのは、同社のお膝元である広島エリアのみ。しかもメインバンクであり、広島事業に多くの担保を有している広島銀行が担保価値の維持の狙いもあってか、同行が支援するファンドが引き受けるという“条件つき”である。
 住宅バブルの崩壊による供給過多の状況では、残った物件の資産価値は相当低くなってしまうことが考えられ、その金額によっては、債権者への弁済率にも影響が出てくるかもしれない。
 今後アーバンコーポは、2009年10月までに7.5%を、その1年以内に残り7.5%の合計最大15%を債権者に弁済していく予定。約2年にわたる清算処理を経て、同社は完全に姿を消すことになる。

倒産ラッシュの2008年。
キーワードは「信用収縮」と「不動産関連」

 それにしてもこのアーバンコーポ破たんは、まさに今年の倒産劇を象徴する事件であったといえる。なぜならそれは、今年の倒産劇の最大の特徴が、『信用収縮』と『不動産・ゼネコン業』の2つであったからだ。

http://diamond.jp/series/nagasawa/10054/?page=2



不動産業界の「激変ぶり」を象徴。 アーバンコーポがついに“清算”へ(ダイヤモンドオンライン/2008/12/26)その1

●リプラスについてもここで取り上げられましたが、今回は新興不動産倒産の先駆けとなったアーバンコーポレイションについて掲載されていました。
昨日の件はリプラスと同様「破産へ」と向かうのでしょう。リプラスは民事再生法の適用の申請を飛び越えて、リプラスレジデンシャル投資法人とリプラスリートマネジメント(現 ミカサアセットマネジメント)はなんとか生き残り、レントゴー事業(現 株式会社デジタルチェック傘下のレントゴー保証株式会社)
も事業譲渡で辛うじて生き延びる、アーバンコーポレイションもそれと同じ道をたどります。
 現在民事訴訟の提起(アーバンコーポレイション株主被害弁護団やアーバンコーポ計画倒産被害者の会の中の民事裁判への参加者)もされており、その行方も気になるところです。

 

(以下ダイヤモンドオンラインより)
{M&A時代の読解力}

【第54回】 2008年12月26日
不動産業界の「激変ぶり」を象徴。
アーバンコーポがついに“清算”へ

――空前の「倒産ラッシュ」に見舞われた2008年をふり返る
 8月に経営破たんした新興不動産会社のアーバンコーポレイション。それから4ヵ月。今月22日、東京地裁に再生計画案が出された。しかし、“再生”とは名ばかりで、事実上の「解体」である。これまでスポンサー企業を募って事業の一体的再生を模索してきたようだが、事業全体の担い手が見つからず、事業の一部を投資グループなどに譲渡したうえで、結局会社そのものは清算されることになった。
 主力としていた「不動産流動化事業」は、中堅証券会社・極東証券の子会社FEインベストを中心とする投資グループに譲渡されることが決まった。また、マンション分譲事業については、広島を中心に展開する事業を地元のファンド・広島ベンチャーキャピタルに譲渡されることとなった。両事業を合わせた売却額はわずか100億円程度。これ以外の事業は譲渡先が見つからなかったようだ。

史上最高益の数ヵ月後に倒産
という皮肉
 今後は、残った資産を売却し、債権者への弁済(配当)を進めていくことになる。同社によると、その弁済率は最大15%程度の見込みだという。民事再生の一般的な配当率としては、15%というのは決して低い数字ではない。

 しかし、同社の直近(2008年3月期)の決算では、バランスシート上において大幅な「資産超過」状態であったこと、しかも600億円を超える過去最高の営業利益を上げていたことを考えると、15%という配当率はあまりにも少ない数字に思えてしまう。
 これは、破たん後、相当な規模で資産価値が目減りしてしまった証拠だろう。おそらく、都市部を中心とした優良物件はすでに担保に入っていると思われ、残った物件は資産価値の低いものばかりではないだろうか。それらをすべて売却し、2事業の譲渡代金、そして手元資金を合わせて、ようやく15%の配当にこぎつけた、というのが正直なところだろう。

主力の「不動産流動化」事業の
行き着いた先
 特に主力事業としていた不動産流動化事業においては、破たんによって、確実な収益源である「フィービジネス」を失ってしまったといえる。そもそも不動産流動化事業は、大きく分けて下記の3つに分類される。

1)自社開発――自己資金によって物件開発後、他社へ転売することで利益を確保する。
2)プロパティマネジメント(PM)――物件メンテナンスや賃貸契約などの管理業務を請け負う。

3)アセットマネジメント(AM)――投資家・保有者から、代理人として物件を預かり、上記PMの運営を行なうだけでなく、投資家への投資利回り最大化の責務を負う。
http://diamond.jp/series/nagasawa/10054/
(2008/12/26/ダイヤモンドオンライン)

(2008/12/26/留)

2008年12月24日

アーバンコーポレイション 支援企業不在、本体清算(2008/12/23)

●不動産会社大型倒産シリーズの皮切りとなった「株式会社アーバンコーポレイション」が事業を分割譲渡し本体に関しては精算するとのことです。つまり「株式会社アーバンコーポレーション」については破産の方向に向かうことになるのでしょうか。
昨日のIRによると投資家集団のようなものが支えるとかそのような話になっているようですが、このニュースなどでは、「支援企業不在」ということになっていますが、つまりアーバンコーポレイション本体については支援するとことはないということなのでしょう。
負債額があまりにも大きいため、本体スポンサー候補となっていた大和ハウスもさすがに手が出せない状況なのでしょう。そのようになると、現在株主訴訟(アーバンコーポレイション被害株主弁護団を代理人とする民事裁判)にも影響が出そうです。「管財人」が立つ前なので
法人に関するものに関しては破産管財人が法人部分を引き継ぐことになると思いますが、それだけにやりずらくなる部分も出てきます。

(以下読売新聞より)
アーバンコーポレイション 支援企業不在、本体清算
不動産市況悪化一段と
 不動産開発会社アーバンコーポレイション(広島市)は22日、事業を分割譲渡し、本体を清算すると正式に発表した。アーバン社が存続を断念したのは、有力な支援企業と目された大和ハウス工業などが相次いで支援を見送ったためで、景気全般や不動産市況の一段の悪化が浮き彫りとなった。

 22日に東京地裁に提出した再生計画案によると、ビルなどを再開発して売却する不動産流動化事業は中央三井信託銀行などの企業連合に、住宅事業は広島銀行などの企業連合に譲渡する。
 当初、業界内では「不動産流動化事業のノウハウがほしい企業が支援する」とみられていた。ところが、「アーバンの優良物件の大半は売却済みのうえ、景気の悪化が追い打ちをかけた」(不動産開発業者)ため、支援企業は現れなかった。
 今夏以降、ゼファーやダイア建設など、民事再生法の適用を申請した不動産関連会社が相次いでいる。アーバン社の事例は、最大の焦点であるスポンサー探しの厳しさを物語っている。
(辻本貴啓)

(2008年12月23日  読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20081223ke04.htm

(2008/12/24/留)
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